聰志日記 -6ページ目

フィンランド遠征。

こんにちは。


今日で10日間に及んだフィンランド遠征が終わり、夜の便でバルセロナに戻ります。

今回の10日間のうちの8日間は、ヘルシンキから1時間ほど離れた静かな合宿地で過ごしていたために、ネットもうまくつながらずにUPできない状況でした。


この10日間で16セッションをこなす日程でした、そこに練習試合がフィンランドの1部から3部のチームを相手に3試合組まれ、フィジカル的には選手は相当追い込まれていたと思います。

試合に関しては、フィンランドのリーグのレベルがスペインに比べて低いとは言え、やはり1部のチームは十分に能力を持った選手がそろっていて、戦術的にはあまり特別なスタイルを感じるものはありませんでしたが、個人のボールを伴ったスピードやパワーに打開されて、苦しむ結果になりました。

僕たちの守備の組織をちゃんと組み立てるまでの切り替えの時間や、ボールを失った後のプレッシングをかける意識が、まだ十分ではないことを見て取れる試合でした。

攻撃的には、早くボールを動かすジョセップの意思らしいポゼッションで主導権は握り続けたとは思いますが、そこからの失い方、カウンターに対してのリスクマネジメントが足りていないことから、カウンターからの決定的な作られる場面が多かったです。


この合宿で、どれだけのミーティングをジョセップがしたかわからないくらい、選手たちと話しました。

サッカーの内容も、この10日間でかなり進めることができたと思いますが、僕が一番印象的だったのは、このミーティングでした。

まず、僕らがいるべき理由。

この1年でどれだけの選手がここから、1部の舞台へ戦いに行くことができるのか、そのために僕らはどれだけの努力をしなくてはいけないのか。

新しくユースから上がってきた選手たちは、ユースの1部という、ユース年代では最高峰のリーグで1年間戦ってサテライトに上がってきたわけです。

エスパニョールのユースはカタルーニャでもバルサと常に劣らない戦力で戦っていくだけのチームです。

その言わば、リーダーだった立場から、今年は年上の選手も多く抱えた、新人になるわけです。

そして、その年上の選手の大多数は昨年1年間、僕らとともに戦っているわけで、今年の僕らのスタイルが昨年い比べて変わっていることを考えても、基本が伝わっている選手と、気持ちよくユースから上がってきた選手では、その温度差の違いは明らかでした。

その意識ができるだけお互いに差のない状況でいれるように話もしたわけですが、ユース上がりの選手にとってはフィジカル的にもメンタル的にも、相当締め付けられた合宿になったでしょう。


次にサッカーのスタイルについて。

今年、僕たちが戦う3部は、バルサのサテライトでもなかなか勝たせてもらえない難しいリーグです。

まず、プレシーズン開始当初の各チームの戦力でチームを分けたところ、僕たちは中位に属するチームの1つになるようです。

昨年は常にリーグリーダーの立場を保持しなくてはいけなかった状況だったのが、今年はいかにチャレンジしていくかの1年になりそうです。

そして、この合宿中のトレーニングと試合で大きく昨年と異なっていることは、明らかにサッカーが”前に早くなった”ことです。

”前に早い”というのは、単に前線へのロングボールが増えたのではなく、自分がボールを持っているときも、そうでないときも、できるだけ深い位置を常に探してプレーするということ、今の状況で相手が最も守備しにくい環境へプレーするという意味で使っています。

その意識が、昨年に比べて、人がどんどん前へ動いて、そのスペースへさらに人が入り込んでプレーしていく状況を作っています。

ジョセップは、いつも”このカテゴリーではフィジカル的に昨年よりもはるかに走れないと乗り切れない”といっていますが、実際に攻守において選手が走っている量は格段に増えているでしょう。

ただ、僕が思うに、スタイルや意味を理解して走っているチームは、どれだけ走る距離が多くとも”サッカーをしている”と思うんです。逆にただ意図もわからずに、”走らされてる”チームは”サッカーができていない”ような気がします。

同じ走ることですが、今回僕たちはどうしてここまでゲーム中に走る量が増えたのか、どうしてそこまで走らなければいけないのかを理解してトレーニングしてきました。

そういった意味では、運動量、前に進むサッカーは昨年のチームに比べてかなりアグレッシブさが増した感じがします。


そういったテーマを練習と試合、ミーティングを通して伝えていった10日間でした。

今回はサッカーに関してしかUPできませんが、フィンランドの遠征のプライベートについては、明日バルセロナに帰ってからゆっくりUPしようと思います。


今日は今から帰りのフライトまでチームみんなでヘルシンキを散策してきます。

夏とは思えない心地よい気候の中、たくさんの緑に囲まれたバルセロナとは別世界で行われた遠征ももう最終日。

最後はみんなで疲れを飛ばせるくらい楽しく過ごしてきたいですね。



感動のコルネリア。

こんにちは。


昨日2009年8月2日はエスパニョールにとって歴史的な1日になりました。

今までバルセロナ市から借りて使っていたモンジュイックスタジアムから、エスパニョール専用のスタジアム”コルネリア、プラットスタジアム”にホームスタジアムが替わり、杮落としが行われました。


僕がスタッフの1人として、そのピッチでその杮落としを過ごせた事、そのピッチに日本人の中村選手がプレーしていたこと、そしてその背番号”7”のプレーが大喝采を集めるすばらしいプレーだったこと、相手が僕の大好きなリバプールだったこと。

すべてにおいて、本当に歴史的な1日に立ち会えたこと、鳥肌が治まらなかったあの感動は忘れることはできない思い出になるでしょう。


会場は4万人のサポーターで埋め尽くされ、モンジュイックにはなかったサッカー専用の臨場感と圧迫感が相手には大きなプレッシャーとなり、仲間には誰よりも心強いサポートになるはずです。

この新たなスタジアムでの今シーズンのエスパニョールは昨シーズンとは違った戦いを見せてくれると思っています。

そして大きなもう1つの感動が待っていました。

後半、そのピッチには昨シーズン一緒に戦った選手が3人、トップの選手としてプレーしたのです。

相手はリバプール、僕が一緒に過ごした選手がジェラードをマークしている、1vs1の戦いを繰り広げてるんです。

その感動と喜びは、このクラブにいれる事の大きな誇りでした。


サテライトに上がってから、今まで、スペインリーグ1部とエスパニョールのトップチームが本当に遠い存在に感じていました。

あと1歩のところにトップチームが待っている状況、いつも隣のグランドで練習しているトップチームに行くことがどれだけ難しいかを、何度も実感してきました。

あの感動の昇格から約2ヶ月。

一緒に喜びを分かち合った選手たちは昨日、歴史的な舞台で、世界トップクラスのクラブを相手にデビューを果たしました。

僕の感動が止められなかった以上に、ジョセップは彼らをどんな感動で見届けたのでしょう。

これがサッカーに指導者の最高の喜びの1つだと、これを求めるために、毎日グランドに行くことを確信できた瞬間でした。

4万人のサポーターの中の多くの人はまだ、彼らを知らないかもしれません。

TVで見た多くの人たちもまた、彼らの存在が誰なのかわからないと思います。

そんな若い選手たちは、確実にいろいろな指導者の手によって、そして選手自身の途方もない努力の成果で、この日ピッチに青と白のユニフォームを着て立ちました。

あの瞬間、きっと多くの人が知らない裏で、多くの人が感動していたと思います。


聰志日記




最高のスタジアム、最高の感動、今日の練習は気持ちが入りました。

きっと昨年一緒に戦った選手たちにも、これ以上ない刺激になったでしょう。

そして僕らは明日からフィンランドに遠征に行ってきます。

トップの彼らががんばっている中で、僕らも彼らの次を担う選手を抱えているこの1年、ゆっくりはしていられません。

このフィンランド遠征では、フィンランドの1部のチームとも2試合の練習試合が組まれています。

どんな成長が見られるか、どんな勉強ができるか楽しみです。



痛い。

暑いです、バルセロナ。


じとじと汗が垂れて、不快指数200%。

ではなくて、日差しが強くて、痛いです。

顔はこのプレシーズンの1週間で十分に真っ黒になりました、夏休みが終わって新たに始まった夏も本番ですね。


この2日間で4セッション。

みっちりパワー系のフィジカルとボールを使った持久系のフィジカルをこなして、戦術面で、守備のオーガナイズの徹底と、攻撃においてビルドアップから数的優位の状況をつくり、そこに確実に入れれるようにという内容でトレーニングしていきました。

そして、昨日は攻撃のトレーニングを任せてもらい、実際に、数的優位を作って使うことを意識したポゼッショントレーニングを行いました。

持久系のフィジカルトレーニングが行われたこともあって、使うスペースの広さと、各セットの時間はかなり負荷がかからないように設定しましたが、ジョセップが求めるコンセプトを話しながら、トレーニングメニューを決めて、フィジカル的に多少ゆるい内容で進めたものの、選手に指導してトレーニングをオーガナイズできたことは、僕にとっては大きな経験になりました。

トレーニング中に選手と話して修正点を話すことはよくあっても、実際にメニューをオーガナイズしてトレーニングを任せてもらうことはあまりないチャンスでもあるので、僕自身もものすごく楽しませてもらいました。


今週いっぱいは、コンセプトを理解するということが主体になって、オーガナイズ自体もプレーしやすい状況が多く設定されているのですが、来週からはフィンランドへの遠征がはいっていて、そのタイミングでより細かな、判断もより難しくなるトレーニングに発展させていくプランで進めています。

そのフィンランド遠征、

助かるのは、バルセロナに比べれば相当に気温も低く、十分に集中力もパワーも保ちやすい時間になるということ。

実際に行ったことはないのでわかりませんが、そういった理由を含めて合宿先をフィンランドに決めたこともあるようなので、僕としても楽しみが多くなりそうです。

試合も3試合組まれていて、そのうちの2試合はフィンランドの1部のチームと戦えるそうなので、そういった意味でも、昨年のオランダのように、何か新たな発見があればいいなと思っています。


と言っても、まずは今週。

この日差しの中、どこまでコンセプトを飲み込んでいけるかが大事なポイントになるでしょう。

僕らも暑いと言って、ゆるいことはできませんね。

明日も頑張ってきたいと思います。



ちなみに・・・

来ましたね、イブラヒモビッチ。

僕が大好きなフォワードの1人です。

また僕らの隣のビッククラブはさらにビックになるんじゃないでしょうか・・・。

新スタジアムを擁した新エスパニョールと最強バルサ。

そして恐ろしい補強軍団のレアルマドリー。

トップも素晴らしいシーズンが待っていそうです、この09-10シーズン。

できるだけ足を運べるようにしなきゃだめですね。

自分たちだけで収まらずに、トップもちゃんと見て勉強、”継続”が僕の今シーズンの目標です。

決めた以上、ちゃんと続けれるように頑張らなきゃと思います。