聰志日記 -4ページ目

秋のおとずれ?

こんにちは。




ついに今週の日曜、8月30日に09-10シーズンのリーグが開幕します。

僕たちの初戦はホームでスポルティング・マオネスというチームとの対戦。

今年僕たちが戦うSegunda Division B(セグンダ・ディビシオン・B)という3部にあたるカテゴリーは、どのカテゴリーよりも各チームの勝ち点差が少ない、拮抗したリーグのようなんです。

僕はまだ実際にそのリーグを戦ったことがないのでわからないことも多いのですが、昨年いた4部に比べると、サッカーの質も個人の質も相当上がるようです。

その証拠なのかわかりませんが、FCバルセロナのサテライト、バルサBでも昇格戦にはなかなか入り込めないだけの実力を各チームが持っているんです。

バルサBも2年前は、昨年の僕らと同じ4部を戦っていました。

そのメンバーの中には今トップで大活躍の、しかもスペイン代表にまで選ばれたセルヒオ・ブスケッツもいたんです。

そして今年、僕たちは彼らを相手に戦っていくわけです。

他のチームに比べて、トップを1部に持つサテライトだけあって、バルサB同様、若い選手での構成になっていて、他のベテランも揃う3部のクラブに比べても、プロらしくないミスも出てくることも多いことながら、やはりエスパニョールのサテライトとして、みんなが満足の行く結果を残さなければいけないでしょう。



あの昇格戦を遠く離れたテネリフェで戦い、選手と昇格を祝っていたのが、つい最近のように感じますが、今週末には、新たに生まれ変わったサテライトとしての新たな戦いが始まります。


間違いなく昨年よりも苦しむでしょう。そして昨年よりもサッカーがどんなものなのかが見えそうな気がします。


僕にとっての09-10プレシーズンは本当に苛酷でした。

どのチームよりも多くのセッションをこなして、必死に準備の手助けをしてきたつもりです。

その苦しかったプレシーズンも本当に終わりを目の前に、そして新たなスタートも目の前に迎えています。

さぁこれから始まるシーズン。

僕たちは必死に戦うだけです。

昨年のようにチャンピオンを義務付けられた1年とはまったく違う戦いが待っています。

お楽しみのあと3日。

チャレンジャーのエスパニョールがリーグを沸かせて行けるように、僕も頑張ろうと思います。




そういえば・・・

日本からいろいろな連絡をいただき、どうやら日本はもう秋が始まっているようですね。

朝晩は涼しく、過ごしやすくなってきたと聞きました。

僕も一時はフィンランドとの気候のギャップで夏は終わらないんじゃないかと思っていましたが、

ついにバルセロナにも秋っぽい雰囲気が朝晩に見えてきた気がします。

毎朝、バス停に着くまでにダラダラかいていた汗も、最近はすっきりと着けるようになりました。

日本と違ってバルセロナの春と秋はすごく短いんです。

あっという間に心地良い秋が終わって、すぐに冬が来ます。

日本の食べ物がおいしくて、気持ちの良い気候の秋を思い出します。。。

おいしいですよね、日本の秋。


やっぱり和食が最高です。。。

スペインの局面は激しい?

こんにちは。


先日まで、静岡県のクラブユース選抜U-15という中学生のチームが、バルセロナに遠征にきていました。

そして、そのチームがエスパニョールのU-15、U-14と試合をしたので、見に行ってきたときの感想です。


日本からバルセロナに来て、何度日本のチーム対バルセロナのチームの試合を見たでしょうか。。

それは数えられるくらい少ないもので、僕は実際に日本でも指導はしていたものの、バルセロナのチームと日本のチームを単純に比べることは、実際に戦っている試合を見ないことにはできないことでした。


今回その試合を見ることができて、また新たに気づいたことや、考えることがありました。

僕も今まで、周りでもよく言われるように、

”スペインの育成年代のボール際での局面の激しさは、日本のそれよりもはるかに厳しい”、”スペインの子供はボールに行く”

といった見方は変わりませんでした。

練習から本当に激しくぶつかり合い、ボールを奪うことに関しては、非常にアグレッシブだと。

静岡との試合、静岡の選手は個人でのボール運びや、フリーの時に出すパス、そういった個人の技術は十分に高いなと思いました。

そこで、スペインのプレッシングです。

僕がこの試合で見た感想の1つに、日本の選手のほうがアプローチのタイミング、相手にボールが渡るときにはきちっと守備の準備ができている、そんな印象を持ちました。

逆にスペインの選手は、アプローチへのスタートが遅い分、どうしても、静岡の選手が持ったあとに相手に到着するイメージでした。

結果、スペインの選手が一歩不利な状況になるわけで、相手はもう仕掛けに掛かっている状況、何とかして足を出してぶつかってでも止めなければ、そんな状況になることがあるんです。

もちろん、その局面がすべてではありませんが、そんな状況が目立って見られたように感じました。

そうなると、やはり激しく見えます、スライディングしてでも止めに掛かるシーンも出てきます。

それが”激しい”と評価されているとしたら、”激しくなる”原因がそれだったら、本当にその”激しさ”は正しいのかと考えてしまいます。


ただ、それとは別の観点で、プレッシャーの中での技術に関しては、大きな差を感じました。

例えば、静岡の選手にきちっとプレスが掛かったとき、ボールを保持することはできることがあっても、そこから先に生まれるプレーには、アタックに大きな印象与えるものはありませんでした。

逆に、エスパニョールの選手に静岡の選手がプレスをかけた時は、相手のプレスを感じて、背負いながらもゲームの展開を変えるプレーができたり、体を預けながらでも決定的なパスが出てきたり、そこに大きな差は感じました。


この僕が感じた2つの点に関しては、どちらが良いのかとは言えないとは思います。

育っている環境の違いが、もろに試合に出てしまった結果でしょう。

1つ1つ的確な指導を受け、正しいプレーを個人個人が心がける日本の選手。

ただ、相手からのプレッシャーの中で、今どういうプレーをすることが1番”試合”を動かせるか、というプレーが出てきませんでした。

しかし、その中でも、相手が困るだけの正しいプレッシングなど、1vs1などの小さな局面でのプレーには攻守において光るものがありました。

そして常にサッカー全体の中で、正しさや細かさよりもまず”試合”を覚えていくスペイン。

プレスが遅れてアフター気味のプレーも多いことながら、危険な状況は何が何でも止めたり、相手のプレッシングがかかる中でも冷静に1番有効な所へと運ぼうとするプレーが目立っていました。

”試合中”に今何をしなくてはならないのかが分かっているように感じました。


どちらの、良さも悪さもわかりやすく引き立っていた試合になったように、僕には思えました。

何を優先順位の先頭において指導するのが1番なのかは、両者を見ている僕にはわかりません。

結果は2試合ともエスパニョールの勝利でしたが、内容をみると、光っている部分、改善しなくてはいけない部分は両者に十分あるわけです。

もしも、日本の選手がこの試合の中で、エスパニョールの4-2-3-1相手に、4-4-2で接した時にどうウィークポイントが出てしまうとか、どうしたら人を引きずり出されずに済むかなどのアイデアがあったら、より拮抗した結果が見れたかもしれません。

中盤でエスパニョールが数的優位を作って、完全に支配した時間帯はそう思わざるを得ませんでした。

逆に静岡の選手が瞬発的なターンで相手を完全に突破した時、エスパニョールの選手がきちっと相手について行けるだけの準備やステップが踏めたら、より楽な試合になっただろうとも思いました。


結果ほどの歴然とした差ではありませんでした。

ただ、両者の違いは極端で、本当に興味深い試合になったと思います。

今、僕はこの地で”サッカー”を学んでいます。

今、僕はいつ日本に帰っても”サッカー”を指導できたら最高だと思っています。

自分が住んで、学んでいることで、何が良いというよりも、新しい日本にいた頃の自分にはなかったものをぶつけてみたい感情はあります。

正しいかどうかはわかりません。

しかし、11vs11の中に本当に”サッカー”はあるんだと、今は思っています。

11人で戦う僕たちに対して、目の前には相手も11人いるんです。

それがサッカーなのかなって今は思っています。


何が正しいかはわかりません。

でも、今の僕の中での”サッカー”はそれが1番です。


本当は何なんでしょう?

こんなことを考えるきっかけになった素晴らしい試合に感謝したいと思います。



カウントダウンの1週間。

こんにちは。


リーグ開幕まで、残すところ約1週間。

夏休みに過ごした日本からバルセロナに帰ってきて、いよいよ始まるなプレシーズンと思って、毎日のように2部練習を続けてきましたが、そのプレシーズンも残すところ1週間になってしまいました。


今週末からは、相手のスカウティングも始めていきます。

今日の夕方に同じ3部のGramenet(グラマネット)やMallorcaB(マジョルカのサテライト)、Sant Andreu(サン・アンドレウ)といったチームの試合の視察に向かいます。

スタッフが時間を見つけて、別れての行動ですが、中には車で6時間かけて視察に行くスタッフもいます。

3部に昇格したということは、相手チームのレベルが上がるだけでなく、戦うリーグのエリアも広くなり、スカウティングの難しさも上がるんでしょうね。

移動に関しては、車を持っていない僕にとっては、大きなハンディキャップになってしまいます。

バルセロナの近郊にだいぶ多くの3部のチームがあることが、そんな僕にとっては不幸中の幸いなんですが。


さぁ、いよいよ来週末に迎えた開幕。

どんな幕が切って落とさせるんだろう。

昨シーズンは、開幕から連勝をかさねて、素晴らしいロケットスタートを切れましたが、今年に関しては、相手も格上、ホームとアウェーの違いも昨年以上に差が出てくるでしょう。

初戦をホームで戦う僕たちは、その大事なスタートをホームで飾ることが、なにより大事になってくるでしょう。

次に2試合、アウェーが続き、その後には優勝候補にも揚がっているAlicante(アリカンテ)戦が控えています。

チャレンジャーとしては、本当に厳しいカレンダーですが、これを1つ1つ乗り越えていかなければ、上に残るチャンスも消されていってしまうわけです。

プレシーズンに、おそらくどこよりもボールを使い、すでに35セッション以上のトレーニングを重ね、フィジカル的にも十分出来上がっている部分も出てきたと思います。


今週1週間、体を休ませながら、戦術を再度確認して、リーグに臨みます。


夏休みに日本に一時帰国して、プレシーズンが始まり、もう開幕まで1週間。

時間の経過の早さには本当に驚かされます。

この暑い夏も、気づいたら通り過ぎて、冬を迎えることになるんでしょうね。

そんなときに、チームがどんな状況にいるのか、今から楽しみです。