【奈落家】風と葉 ~露天風呂に入る神楽と神無~ | 同人的日常

同人的日常

奈落家のある暮らし

■シリーズ:【奈落家】風と葉

 

■キャプション:普通に温泉の話だけど、「【奈落家】風と葉」シリーズとしてのアイテム問屋鬼怒川屋の影も…。

----------------------------------------------------------------

■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのに、なぜか現代の要素が入る。
(劇中に出て来る天然水サイダーは実在します。
少々、辛口な評価ごめんなさい。)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆、生存していて
人見城に一緒に住んでいる設定です。

----------------------------------------------------------------

人見城下の町内会の福引きで

温泉施設の無料入浴券を当てた神楽。
こういう運は良い。
ただし、2名様限定だが。

2名ということで問答無用で神無を連れて
公務後、一緒に入りに行く。

二人は脱衣所で着物を脱ぎ、
それぞれ洗い場できちんと体を洗った後、
さっそく露天風呂に浸かる。

「タダで入れる温泉ってのはイイもんだねえ♪ 眺めも良いし」

「…♪」
神楽だけでなく神無もご満悦だ。

露天風呂は先客もいるが、
かなり広く距離を取れるため
あまり人目を気にせず

手脚をよく伸ばして悠々と入れる。

星がまばらに瞬く静かな夜の闇に
ほんのりとした橙色の間接照明が
湯にちらちら反射して映える。

湯もちゃんとした温泉の、
でもくどくない香りがする。
少しとろみがかっている。
温度も低過ぎず高過ぎず
秋の冴える外気からしても
ちょうど良い温かさだ。

「肌、綺麗になるかねえ?」

「毎日、お風呂にきちんと入るのが大事よ…」

「やっぱ、当たり前をコツコツだよなー。
美容にしても健康にしても」

そのままのんびりぼんやりと
間接照明に照らされた湯と岩の、
夜の粋な露天風呂の景色を見渡しながら
20分ほど浸かり、出て来る人見家姉妹。



外の売店では鬼怒川の天然水サイダーが売っている。

「これは鬼怒川屋の"あの女"の商品か…」
神楽は以前、奈落を倒すための算段を共にしたアイテム問屋の娘・お葉のことを思い出した。

そして神楽は神無と共にその鬼怒川の天然水サイダーを買って飲むことにした。

これを買うことがアイテム問屋鬼怒川屋に投資することになり、
風が吹けば桶屋が儲かる方式に奈落を倒すことにつながると考えたからだ。
また、投資もできてサイダーも飲めるなら一石二鳥であろう。
まぁ、大した額でもないし、甘い考えかもしれないが。

「味、どうだ?」
神無に問う神楽。

「…普通」

三ツ矢サイダーとは味が異なるがわりと普通のありふれたサイダーの味だった。

「せっかく自社ブランドで作ってんだから
ガリガリ君ソーダみたいな甘くてウマいソーダ味にでもすりゃいいのに。
着色料使ってねえところは評価するけど」
神楽も飲んで、普段と不満を呟きつつ公正な評価をする。

後で文句言ってやろうと思う神楽。

しかし、ありふれた味だが飲み続けていると
しつこくない素朴な味わいがとても良いことに気づく。

「別に悪くねえか。値段もまぁまぁだし」

「おいしいかも…」

納得しつつ、その後、サイダーを飲み終わった二人は
ゴミ箱にサイダーの瓶とアルミのキャップを分別して捨てて、
人見城へと向かって歩き出した。

そして"紅白"は闇夜に溶けて行く。

果たして二人は他の弟たちと共に
邪妖 奈落に呑まれずに
生き残ることができるだろうか…。

おわり


■あとがき

今回、温泉に入れたのは神楽(運の良いキャラ)が
町内会の福引きで入浴券を当てたからですが、
犬夜叉がテレビ放送されていた頃の時代って
アニメとかのストーリーではそういうのよくあったので
時代性を反映して書いています。平成文化の良さよ。

あと、神楽と神無が自然に仲良さそうな感じも。

"紅白"は神楽と神無の比喩です。
赤子と白童子で紅白になってるけど、
神楽と神無も紅白ですよね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ほんとにおわりです。