それから検査ラッシュと手術の手配などバタバタと時間が過ぎて行った。
普通にサラリーマンをしていて、仕事も忙しかったがやり甲斐もあり、新しいプロジェクトややりたい事も沢山あった。
しかし、告知の日を境に現実からかけ離れた別次元の世界にいるかのような感覚に陥った。
本来であれば楽しいテレビ番組や音楽、食事時間など、全く面白いと思えなくなった。これ程まで感受性が失われるとは、身体中をビリビリと、まるで落雷が直撃したような衝撃だったのだろう。
しかしながら比較的ポジティブシンキングで生きてきた甲斐があって、2週間ほどで気持ちを切り替え、まずは仕事より身体を第一に、そして家族との時間を楽しみ、後はなるようにしかならないと腹を括った。