先生はなぜ『コトハの肖像』にこだわるの? | 里中李生公式ブログ

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私が撮影したポートレート作品、出版した著作、仕事に関するエッセイ、wed小説の解説などを定期的に更新します。


ゆう子「また加筆してる。三年前からずっとたまに直したり加筆する」

利恵「他にも短編小説はあるけど、手を加えるのは『コトハ』だけか」

涼子「あと、わたしたちの小説。それは大長編すぎるからです」

ゆう子「先生の小説はエンタメ志向で、『ZEROISM』みたいな公安警察の話やうちらの『衝撃の片想い』みたいなファンタジー&アクションが多いんだ」

利恵「あー、なるほど。その中では、『コトハ』だけは普通の恋愛ものだね」

涼子「町村琴葉は天然女子だから、軽めの会話が続くけど、テーマは重いです💦」

ゆう子「不倫、レイプ、契約結婚、不妊治療、父親を亡くした息子の孤独、成り上がりの画家…」

利恵「今回、加筆したのは、琴葉と夫の町村の馴れ初めなんだけど、まるで愛がない」

ゆう子「どういう契約結婚だったのか詳しく書いたんだけど、町村が【ルッキズム】を堂々と語る。所有願望とか。本編で、美人妻を手に入れた人生に満足してるだけの男って揶揄されてた。だから、それが本当なんだって加筆」

涼子「なるほどな、ですね。でも、そんな夫婦でも、町村が無害だったから、琴葉さんはだんだん、その結婚生活が幸せで、救われたと思い始めた」

ゆう子「そんな時に、時任尚と出会ったわけで、その経緯をより詳細に書いたわけか。もはや中編小説だね」

利恵『第二部の『渇き』があるからね」

ゆう子「『渇き』の方は、唯さんがヒロインぽいからハードなんだけど、今回、第一部に、町村と琴葉の馴れ初めを混ぜたら、物語が引き締まったね」

涼子「琴葉さんがレイプされた直後の求婚ですから、会話が重いです💦」

ゆう子「先生は沖縄を舞台にした小説が頭の中に出来上がってるらしい」

利恵「マジ?テーマは」

ゆう子「なんだろうね。ヒロインが親殺しの疑惑があるんだけど、沖縄で有機栽培の農業を同級生の男性としてる。順調だったのに、東京で出会った男が沖縄にきて、一緒にその仕事をしてる時に、親殺しの疑惑がバレる。本当に親を殺したのかどうか彼が調べたがるんだけど、

それ、どうでもよくない?

みたいな物語」

利恵「あー、虐待とかしてた親が死んで、自由になった女の子の過去を掘り下げるな、みたいな」

ゆう子「だけど、ヒロインのその彼女は東京からきた謎のその彼を愛してて悩む」

涼子「何が謎なんですか」

ゆう子「彼が都内で倒れてたのをヒロインが助けたのが出会い。過去が分からない。でも実は刑事とかそういうのじゃないらしい」

利恵「ヒロインは親殺しの疑惑はあるけど、地元で有名な女性。東京からきた彼は素性が分からない」

涼子「犯人探しとかじゃないんですね」