凸♪凸♪凸♪ | satonaka☆音の見聞録

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そのコンサートは或る印刷会社主催によるチャリティーの一環であり、なんでも収益金はカンボジア女性の識字教育支援に充てられるらしい。
社屋の一階にそこそこ中規模の立派なホールを有しており、この日ここで行われたのが…
森麻季さんのソプラノリサイタル♪


劇場でじかに歌声聴くは約1年半ぶり…といっても、ピアノ伴奏のみのソロ形式自体がまだ2度目なのですが、ピアニストの山岸茂人さんは音源のクレジット表記にも頻出しており、10年来のパートナーといったとこでしょうか。。


会場に入るとお決まり「上演中はカメラ撮影・録音等はご遠慮ください。また携帯など音のでる機器は電源を切るようお願いします」のアナウンスが流れており、
いつもの如く そんな開演前の様子をパシャリカメラすると…

あれ?係員がやって来た。(正確には開演前に撮り忘れてのインターミッション時なのだが…)そして一言
「カメラはご遠慮願います」と。。
だから上演中は電源切ってる事を告げると
「いえ、休憩中もです」・・
はぁ?…では開演前の文言(前述)は何なのか?それならそうアナウンスすれば良いのだ。


こんな注意受けたの初めてである。強いて挙げれば、6年ほど前に◯ーチャー◯ホールで声掛けられた事あり、その時は
「開演後は撮らないでくださいね」と、アナウンスどおり言ってる事に相違はなく、重々承知の旨を返答しといた。

当方のブログを読んだ事あるかたはご存知と思うが、
ホール等の一定施設内で行われる公演については、出演者は、舞台上で自ら撮影タイムを設ける稀な例を除き、カメラに収められる事はない。したがって、開演前の誰もいないステージが載せられてるのを何度も見たと思います。
誰の公演か?リポートを書くに、貼り出されているポスターを撮れば充分説明はつくし、そこには演目も記されている場合が多いので、

物事の伝達に必要な、5W1Hのうち、これで最初の3つは満たせる事になる。ステージも野音のような屋外であれば、少なくとも昼夜の区別はつき、これで4つ目も満たしており、日にちについては必要ならば記せば良い。
最後の1Wである公演の発端や主旨もたいてい冒頭に記しており、残り1Hも文章で記せば、伝えるべき内容をほぼ全て伝えられる記事となる。


まぁ、間違った案内する係員も時としているものだ。(だから写真もそのまま載せてある)
だが前出の◯ーチャー◯ホールのように、声掛けで注意を促すような業務マニュアルはあるもので、おそらく本番でカメラをパシャリ!やる客もいるのだろう(クラシックコンサートでそれをやる観客はまずいないと思うのだが・・)。主旨はその牽制的な意味合いとなるものだが、今回はそれをいささか逸脱している。

話は少し脱線しましたが、では幾つかのWを補足しつつ残りの1Hに記事を進めましょう。

当日配られたプログラムの冒頭には
“今宵の森麻季のリサイタルは、彼女の「今」と「将来」を見据えた攻めの選曲である。”…といった文言が添えられており、
おそらく常連の観客は曲目を見ただけでそれが判るのでしょう、けれど筆者はピアノ伴のみの独唱形式で聴くのがまだ2度目…違いといっても前回の公民館での演奏会と比較するのみで、記憶たどると重複も散見され (°▽°)。、
この前回のものは初見さん向けの基本型的印象受けたのですがぁ…察するに、その微妙な違う楽曲の中に常連さんはその “攻め” を読み取るのかもしれません。


第1幕の登場は、少しシックなウルトラマリン色の開襟ドレスで、腰下からは白と朱系の花びらがスカート半ばまで広がり、これが鮮やかなコントラストである。
曲目は、モーツァルト・シューベルト・ブラームスなど、ドイツ・オーストリアの音楽が中心で、
麻希さんがMCで語るには、音楽で欧州の各地を巡りましょう…との事で、この1幕は先に記した作曲家たちによる歌曲を揃え、
そして「アヴェ・マリア」を続けて唄うのは恒例なのでしょう、今回は2曲で、その中に唯一イタリアの作曲家・マスカーニも入っていました。
尚、筆者の赴いた少ない過去の麻希さんのリサイタルでは、観客の皆に語りかけるようなMCが通例でしたが、この日は冊子を片手に淡々と曲の解説を読み上げていました。
インターミッションの事は先に記したとおりですが、

2幕の服装は、ベージュに銀のビーズが胸元から腰下まで伸びており、遠目に見ても良い頃に比べ経年劣化は否めないものの、あの年令であの容姿はやはり素敵に思えます☆
さて、選曲のほうはといいますと筆者のストライクゾーンとなる区域に入ってきまして、ビゼー・フォーレ・シャルパンティエなど続けば お判りでしょう、
そう、フランスが中心となります。アーンなどもベネズエラ出身ですがデビューはパリですし、麻希さんは前回も唄っており、筆者の好きな歌曲になりつつあります。
フォーレの二曲は、楽曲自体が特有なのかもしれないですが、非常にイマジネーションの広がる響きで、
これらの小品群ももちろん良いですが、《カルメン》や《ルイーズ》など歌劇からの歌曲を長めに唄うは、響きがやはりドラマチックです★

尚、幕間で演奏されるピアノ楽曲もドビュッシーとラヴェル…ほぼフランスで統一され、聴いてる時は個人的な心地良さを感じるのみでしたが、よくよく考えれば これこそ “攻めの選曲” だったのかもしれません。
前回に初めて生で聴いた「亡き王女のパヴァーヌ」が再び演奏もされますが、さすが2度目となると…伴奏専門のピアニストによる譜面の棒弾き的なものが浮き彫りになり、この様なピアノ楽曲をほんとうに楽しみたいなら、一線級のピアニストによるリサイタルに行くしかない事を痛感し、聴いてて少しブラストレーション生じるものの
しかしこの場は飽くまでソプラノリサイタル…伴奏者は時として編曲もしなければならず、求められるセンスは全く別である。それでもこの独奏が所々に挟まれるは、
全て一曲入魂のソプラノ歌唱に於いて、喉を休める為にこの様な幕間が必要なのであろう。

最後はカタラーニの歌劇《ワリー》から「さようなら、ふるさとの家よ」で本編を締めました。
そしてアンコールと続きますが
2曲目ほんとに最後、ヘンデルの歌劇《リナルド》からの「涙の流れるままに」は何度聞いても、その情感溢れる歌声に魅了されます☆
(ボードに表示されるは違うタイトルですが、邦題は二通りあるそうです)



少し前までは仕事の中心が土日の昼間だったため、昨今のクラシックコンサートと重なり、なかなか機会つくれませんでしたが、今回は平日の夜…一年数ヶ月ぶりの森麻季さんとなりました☆
十数年前から聴き始めて生演奏は未だ4回目ですが、また機会つくれれば…と思います。