ギララ
この夏、「ギララの逆襲~洞爺湖サミット危機一髪」という怪獣映画が公開されるという。
41年前に上映された「宇宙大怪獣ギララ」(1967)の続編的な作品のようで、今から楽しみだ。
1967年というと、第一次怪獣ブームの真っ最中だった。
当時小学生だった私は、その前年から怪獣に取り憑かれており、この映画も是非見に行きたかった。
しかし、それが許されない厳しい現実があった。
それについて書く前に、第一次怪獣ブームについて簡単に触れておこう。
下に略年表をまとめたが、1966年の「ウルトラQ」がブームの火付け役となり、翌年にかけて大量の怪獣ものが制作され、67年にブームの最盛期を迎え、68年の「怪獣総進撃」の頃に下火になったという見方が一般的である。
1965年12月 「怪獣大戦争」(東宝)
1966年1月 「ウルトラQ」放映開始
4月 「ガメラ対バルゴン」「大魔神」(大映)
7月 「ウルトラマン」放映開始
「サンダ対ガイラ」(東宝)
12月 「南海の大決闘」(東宝)
1967年4月 「ガメラ対ギャオス」(大映)
「大巨獣ガッパ」(日活)
「宇宙大怪獣ギララ」(松竹)
7月 「キングコングの逆襲」(東宝)
10月 「ウルトラセブン」放映開始
12月 「ゴジラの息子」(東宝)
1968年3月 「ガメラ対バイラス」「妖怪百物語」(大映)
7月 「怪獣総進撃」(東宝)
10月 「怪奇大作戦」放映開始
12月 「妖怪大戦争」(大映)
ではなぜ、リアルタイムで「ギララ」を見られなったかというと、上の年表を見ればわかるように、
「ギララ」と同じ時期に「ガメラ対ギャオス」と「ガッパ」が一挙に公開されたのが原因である。
いかに怪獣ブームが凄まじかったか、この一事をもってしても分かる。
親に「全部見たい!」というと、「3本なんて、冗談じゃない」といった意味の事を言われ、他にも何か揉め事があったらしく、結局その春休みは3本とも見られなかった。
もしどれか1本だけが公開されたなら、連れて行ってもらえた可能性があるが、今更そんなことを言ってもはじまらない。
その後、「ガッパ」と「ギャオス」は近所の二番館で見たと思うが、
なぜか「ギララ」だけは見る機会に恵まれなかった。
結局「ギララ」を初めて見たのは、それから10年以上も経ってからで、
当時、品川区の大井町にあった「武蔵野館」という名画座で、怪獣大会をやった時であった。
感想はガッカリの一言。
怪獣や宇宙船のデザインはすばらしいが、ドラマが退屈でたまらなかった。
なお「ギララ」は、「男はつらいよ」でちょっとだけ見ることが出来る。(寅さんの夢のシーン)
怪獣のことを書いていると、何かが乗り移ったようになってガンガン書いてしまう。
とにかく、新作に期待したい。
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