謎の集会(3)
今から7年前―。
はじめて集会を見てから既に15年ほど経過しており、もうそれに対する興味も無くなっていた。
だが、集会の謎は、意外なところで予期せぬ形で解明された。
その年、私は苦労してパソコンを購入し、インターネットに接続した。
他のメディアでは判らないことも、ネットで検索すればかなりのことが判明し、毎日が驚きの連続だった。
そんなある日、神奈川県内の心霊スポットについて調べていると、ある掲示板に
「○○公園も出るよ」
という書き込みがあった。
○○公園とは家からすぐの場所であり、例の集会のあった公園である。
だが近所に住む者にとって、それは初めて聞く話だった。
”その話、ホントかよ”と思いながら、書き込みを読んでゆくと、
「○○公園は幽霊は出ないけど別のものが出るからね(笑)」
「なにしろ有名なハッテンバだから」
という書き込みにぶつかった。
「別のものって何だ?」「ハッテンバって何だよ・・・」と、次々に疑問が湧いてきた。
そこでまずハッテンバについて調べることにした。
その結果、大略次のようなものであることが判明した。
「ハッテンバ」は漢字で書くと「発展場」で、男色家が相手を物色する=発展する場所のことであった。
つまり、○○公園は男色家たちが集まる場所だったのだ。
”そうか、そういうことだったのか・・・”と、私は興奮を抑え切れなかった。
長年の疑問が氷解しかかって来たからである。
(つづく)
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謎の集会(2)
夜の公園にたむろする男たちは、一体何をしようとしていたのか?
その答えが解らぬままに時が過ぎていった。
時々夜の公園を通ると、やはり同じような光景が見られたが、どうしても聞いてみる気にはなれなかった。
それからしばらく後、私はその公園で不気味な経験をすることになった。
どこかからの帰り道、どうしてもトイレに行きたくなった私は、ちょうど公園の近くを通ったので、
園内のトイレに入った。
トイレには小便器が三つ並んでおり、その左はしには既に先客がいた。
そこで真ん中を空けて、右はしのトイレに向かった。
そして事に及んだ訳だが、なんと左はしの男が、おのれの放尿を中断して真ん中に移動してきたのだ。
この時の恐怖感と不快感を、私は今も忘れない。
「この男、いったい何がしたいんだろう?」という疑問が湧いたが、性的な目的だろうという見当はついた。
そこで私は放尿を切り上げて、トイレから逃げ出した。
この事があってから、その公園のトイレに夜入るのは気味が悪くて出来なくなった。
だがこの一件で、謎の集会の正体がおぼろげながら解る気がしたが、真相をしったのは10年以上も
経ってからだった。(つづく)



