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ルル・ラブアの予言

古今東西、多くの予言が生み出されてきたが、大々的に発表したものや、社会をにぎわせたものよりも、ひっそりと語られたものの方が当たっているような気がする。


今回は、そんな「ひっそりとした予言」の一つについて、書いてみようと思う。

占星術師の故ルル・ラブア女史(1945-1999)に「占星学の見方」(1974・東栄堂)という著書がある。

その27頁に次のような記述がある。


1990年代の惑星の配置は幸運な様相を示していない。

1990年7月末には、太陽が獅子宮に、火星が天蝎宮に入り、

木星・土星・天王星・海王星がいすれも不動宮を占めて、

不動の大十字(グランドクロス)を形成する。

この時、天蝎宮の火星は、「絶滅者」としても威力を存分に発揮するだろう。


この記事を初めて目にしたのは1985年だったと思うが、その時は天変地異の予言のような気がしたので、防災用品や非常食を買い集め始めた。


やがて5年の月日が過ぎて、1990年の7月がやって来た。

「いよいよ破滅の時が来たのか・・・」と、ビクビクもので月末を迎えた。

しかし31日になっても何も起こらない。

大地震も起きなければ、大隕石も降って来ない。

「やはり予言を信じすぎるのは考え物かもしれないな」と思った。


だが、それから二日後の8月2日、イラク軍が突如としてクウェートに侵攻・制圧したのだ。

そのニュースを聞いた時、「これだったのか!」と思い、慄然とした。


(つづく)

麻雀に勝つ方法

亡母の同僚に麻雀に強い男性がいた。

ある時、「何か秘訣でもあるの?」と母が聞くと、こんな答えが返ってきたという。


「自分だけ勝とうとしないことですよ。」


私は麻雀をほとんど知らないので、これを聞いてもピンとこない。

しかし、この「自分だけ勝とうとするな」という教訓には、いろいろ考えさせられる。


勝負事では、勝とうとしないことには勝てないものが大半であろう。

しかし、人生全般で見てみると、全体のことを考えてスタンドプレーを控えた方が

良好な結果をもたらすことは多い気がする。


味わい深い教訓だと思う。

火曜日の女

もう40数年も前、「火曜日の女」というテレビシリーズがあった。

放送局は日本テレビ系で、4~5回で完結するサスペンスドラマのシリーズだった。

放送日が毎週火曜で、主人公がどれも女性なので、このシリーズ名になったらしい。


当時は小学生だったので親の横で見ていたのだが、どの話もゾッとするようなスリルとサスペンスにあふれていて、子供には刺激が強かった。

だがそれだけに強く印象に残り、今も時々思い出すことがある。


なかでも特に怖かったのは、星由里子主演の「木の葉の舟」という作品だった。

星由里子が演じたのは新婚の女性で、その夫役は竜雷太、夫の母親役は大塚道子だった。

以下にストーリーを簡単に記してみたい。



長期出張の決まった夫は、言葉の不自由な妻の身を案じ、自分の実家に預けてから旅立った。

その実家があるのは小さな島で、潮が引いたときだけ陸地との間に道が出来るという特異で不便な場所だった。

 

島に到着した若妻を迎えたのは、夫の母と得体の知れない若い男だった。

姑の性格は高圧的かつ冷厳で、笑った顔をまったく見せない女だった。

しかも何か秘密を抱えているのが伺われ、謎めいた若い男と共に、若妻に不安を抱かせる。


やがて気味の悪い事件が続発し、彼女を恐怖のどん底に陥れて行く。

逃げようとしても干潮時しか島を脱出できず、誰も頼りに出来ない孤立無援の状態の中で、彼女の孤独な戦いが始まった・・・・・・



言葉が不自由で手話での会話しか不可能なため、電話で外部に助けを求めることも出来ず、

島を脱出しようにも、上記のように干潮時しか陸地へ行くことも出来ない。

そして最も頼りにしたい夫は、長期出張でいつ戻るか分からない。

そして大塚道子が、冷たく不気味な姑を怪演して圧倒的な恐怖を現出し、ショッキングなシーンを連発してくるのだ。


サスペンスドラマの状況設定としては、これ以上のものを考えられないくらい効果的で、製作者の手腕に驚嘆させられる。

このドラマはかなり評判が良かったらしく、後に「木の葉の家」という続編が作られ、またずっと後になって「悪魔の島の赤ちゃん」というタイトルでリメイクされ、秋吉久美子が主人公を演じた。


これほどの傑作にもかかわらず、ビデオ化もDVD化もされておらず、見ることが出来ないのが残念だ。

再視聴できる時まで、気長に待とうと思う。