月曜日、思い立ってドバイの3大スークがあるアル・ラスのあたりを散策してきました。
オールド・ドバイと呼ばれるこのエリアには博物館がいろいろあって、一度見にきたいと思っていたのです。
ドバイ女性博物館に展示されていた
アーティストの顔も持つドバイ王女、シェイカ・ラティファの作品が、探検気分を盛り上げてくれます
年が明けてからは、せっかく涼しかったのにあまり出かけていなくて…
気がついたら昼間の外気温は30度台に上昇してしまいました
このところ、一気に体力が衰えたのを痛感しています
ただ単にトシなのかもしれない…
けれど、一因は外出が少ない駐妻生活だと思います。
出かけるときは公共交通機関でガシガシ移動しているので歩くには歩くのですが
2歳児と5歳児のふたりを連れて歩くのは億劫で…
上の子が学校に行ってる間、下の子をデイケアに託児して出かけることはできるのですが
専業主婦ってなんでこんなにいつも時間に追われているのだろう…
やることが無限にあって、なんだかあっという間に時間が過ぎてしまいます。
毎朝保育園に子供たちを送り、自転車を漕いで会社に向かい
また激チャして子供たちをお迎えにいく日本での生活のほうが、早朝や夜の家事があっても気楽だったなあ…。
子どもたちと過ごす時間は長くなったので
小さくて悶えそうなくらい可愛いうちの今、それはすごくいいのだけれど
なんだかいつも追われていて息苦しい感じがする…
と思ったら健康診断でそれは貧血のせいだとわかったのでしたが(笑)
怠惰な性格だから自分でタイムキープができないとか、家事苦手なのもあるんだけれど、うーむ
夫に話しても「駐妻はいいよなあ、俺も専業主婦になりたいよ」と言うばかりで
子育てママの苦労は想像できない様子。もう会話する気を失いました
出張ツライって言うけれど、ひとりで飛行機に乗れて、ひとりでごはん食べられて、
ひとりで寝られるのがうらやましいっちゅーねん
仕事があれば短期的な目標ができるし、評価もされるし、でも主婦にはそれが難しいのですよね。
専業主夫に1年なる制度とか作ってほしいですなー。
…愚痴になってしまいましたが、そんなわけで出かける気力も失ってしまい
体力も衰えてすぐ疲れてしまう..。
あれっ?こんなに体力なくて、帰国したら復職できるんだろうか...と心配になってきました
この状況は打開しなければいけない...ということで、
暑くなって歩けなくなる前に気力を取り戻そう!と出かけたのでした
アル・ラス(Al Ras)の駅です。
ウィンドタワーが立っていて、オールド・ドバイらしい、雰囲気のある外観です。
どの角度から見ても、いい感じ
構内もなかなか雰囲気あります。
…と思いきや、コレ、ヘリテージ・ハウスではありませんか
昔の民家をそのまま、昔の暮らしを紹介する博物館にした施設です。
でもホームページに書いてあった通り、改装中。
いつオープンするかはどこにも記載されていません
アル・アフマディヤ・スクールではありませんか。
1912年に創設された、ドバイで初めての、そしてUAEでも初の公立学校です。
ドバイの前首長、シェイク・ラシッドもここで学んだそうで
2000年に孫のハムダン王子が当時の教育を紹介する博物館として整備しました。
でもここも改装中。残念…
早速2箇所、見学できずに終わりましたが
このあたりの街並みは商店が建ち並び、なんとなく古い時代の面影を残しています。
今度は…
やってました!
アル・オカイリはドバイで最も有名な詩人で、
その家が博物館となっています。
砂漠の民は、オアシスを求めて絶えず移動して暮らしていたため
記録の文化がないのだそうです。荷物になっちゃいますからね
ゆえに、韻を踏むリズミカルな詩歌が口承の文学として発展したのだそうです。
ドバイの今の王様、シェイク・ムハンマドも詩人で
10代からペンネームで発表していた詩は、王族であることを公表せずとも
アラブの文学界から高い評価を受けていたとか。
そしてこのアル・オカイリという人も王族と親交があり、社会的にも発言力のある人物だったそうです。
ちなみにアラブの詩といえば、気になるのが
バグダッドの過激な詩人、アブー・ヌワースのコレ↓
アラブ飲酒詩選 (岩波文庫) Amazon |
アラブで酒⁇とびっくりしますが、昔のアラブ人は実はけっこう酒好きで
イランなんかでもホメイニ師の革命の前は、つい最近まで普通にお酒を飲んでいたとか。
ペルシャにはかつて、スーフィーというイスラム神秘主義の一派がいて
この人たちは酒を飲んで踊り、トランス状態になることで神に近づこうとしていたそうです。
スーフィーの修行僧はダルビッシュと呼ばれていて
ダルビッシュ有にもこの修行僧の血が流れているのだと↓で読みました。
ちなみにダルビッシュ僧を日本に初めて紹介したのは、村上春樹であると言われています。
「ちなみに」がまた長くなりましたが…
アル・オカイリの家はこんな感じ。
アラブの家は吹き抜けが大きくとってあり、
狭い廊下と小さな部屋がそれをぐるりと取り囲むようなつくりになっています。
この博物館は、スークが近いとは信じられないほど静かです。
こんな飾り窓から光が漏れこむ、静謐な空間でなら
宗教的な詩もさらさら書けそうな気がします。
台所も見学できます。
こちらが、昔のUAE人が煮炊きしていたかまどです。
2、30年くらい前は、まだこれで料理していたみたい。
これまた味のあるデザインです。ペンが進みそうだ。
こちらは手書きの書類ですが、几帳面な性格が窺えます。
アラビア語って、こうやって見ると美しい文字ですね
うつわ好きに手書きの美しい原稿、ときて
愛媛県にある伊丹十三記念館を思い出しました。
宮本信子が館長を務めるこの記念館の展示も、なかなかに素敵なのですよね。
金継ぎした伊万里の器も展示されています。
ちなみにドバイ360°というサイトで、アル・オカイリ博物館の中がほぼ全部見えちゃいます。
このサイト、かっこいいのでぜひ見てみてください
さて、このあとは、ドバイ女性博物館やシェイク・マクトゥム・ハウスを見にいったのですが
文字数が制限を越えてしまったので、また別記事にします。
長い記事をお読みくださりありがとうございました!