お疲れ様です。子育てコーチング協会インストラクターのさとさんです。
子どものわがままがエスカレートしてきたら──「無反応+共感」という選択肢
「学童に行かないなら学校に行く」
「やっぱり学童は休む」
「迎えは早く来て」
「やっぱり遅くして」
そんなふうに、子どもの気分に振り回されてしまうこと、ありませんか?
親としては、仕事の都合もあるし、予定もある。でも、子どもはその時の気分で「イヤ」「行かない」「今すぐ来て」と言う。
最初は「まあ仕方ないか」と対応していたけれど、だんだんエスカレートしてきて、親の方が疲れてしまう──そんなケースをよく伺います。
「気持ちにはYES、行動にはNO」というワンセット
こうした場面で、まず試してほしいのがこの言葉です。
気持ちにはYES、行動にはNO
これは、子どもの気持ちに寄り添いながらも、行動の境界は守るという対応の基本です。
✅ 気持ちにはYES:心に寄り添う
- 「イヤだったんだね」「悲しかったんだね」「そう思ったんだね」と言葉で受け止める
- 表情やうなずきで「聞いてるよ」「わかってるよ」と伝える
- 抱きしめる、そばに座るなど、身体的な距離で安心感を示す
これは「あなたの気持ちは大切だよ」と伝える行動です。
❌ 行動にはNO:境界を守る
- わがままな要求には応じない
- ルールや予定は変えず、淡々と対応する
- 泣いても怒っても、要求には反応しない(でも気持ちには寄り添う)
これは「気持ちは受け止めるけど、行動は変えないよ」というメッセージです。
それでもエスカレートするなら──「無反応+共感」を2週間
「気持ちにはYES、行動にはNO」を続けても、わがままが激しくなる場合は、思い切って「無反応+共感」を2週間ほど、試してみてください。
「無反応」を始めると、最初は子どもの癇癪が激しくなることがあります。それまで通っていたわがままが通らなくなることで、「もっと強く言えば通るかも」と試してくるのです。
でも、そこをぐっとこらえてみてください。親が反応しないことで、子どもは「これは通らない」と学びます。
そして少しずつ、「気持ちを伝える方法」を探し始めます。
ただし、無反応だけでは不十分です。反応しないまま放置してしまうと、子どもは「自分の気持ちは無視された」と感じてしまうこともあります。
だからこそ、子どもが落ち着いてきたタイミングで、共感の言葉をかけることがとても重要です。
無反応+共感の3ステップ
1️⃣ 癇癪やわがままに反応しない(無反応)
→ 境界を守りながら、そっと見守る。反応せず、でもそばにいる。
2️⃣ 子どもが落ち着いてきたら、共感の言葉をかける
→ 「悲しかったんだね」「イヤだったんだね」と気持ちに寄り添う。
3️⃣ 落ち着けたことを認める
→ 「一人で落ち着けたね」「自分で気持ちを整理できたね」と、回復力を言葉にする。
この3ステップを繰り返すことで、子どもは「気持ちはわかってもらえた」「でも、わがままは通らない」と学び、少しずつ、自分の感情を整理する力を育てていきます。
学童保育での実践から
ある子どもが、癇癪を起こして怒りを周囲にぶつけようとしていた時期がありました。フライパン振り回してみたり、ものを誰もいないところに投げつけようとしてみたり。見ていると、本当にすることはないんですよね。
でも、話を聞いてもなかなか収まる様子は見られませんでした。そこで、職員で話し合いを重ねました。
そして出した結論は──
あまり声をかけずに、そっと見守る。
最初は勇気がいりました。
でも、子どもが怒りをぶつけても、誰も反応しない。それでもそばにいて、安心できる距離で見守る。
すると、少しずつ子どもは「怒っても変わらない」と感じ始め、やがて自分で落ち着く力を育てていきました。落ち着いたあとには、声をかけます。
「さっきはイヤだったんだね」
「一人で落ち着くことができたね」
こうすることで、気持ちを受け止める時間をつくりました。
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最後に──親も安心していいんです
子どものわがままに振り回されていると、「ちゃんと育てられているのかな」「私の対応が間違っているのかな」と不安になることもあります。
そういう時こそ、自分のこころの声を聴くときです。
「本当はどうしたかった?」「何に疲れている?」と、静かに自分に問いかけてみてください。
子どもの気持ちに寄り添いながら、境界を守ることは、愛情と信頼の土台を育てる大切な時間です。
無反応+共感は、冷たい対応ではありません。
「あなたの気持ちはちゃんと届いているよ」と伝える、静かなメッセージです。
どうか、親自身の気持ちも大切にしながら、
子どもとの関係を少しずつ育てていってくださいね。
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