昨日、顔の筋トレはシワのもとになりますよー、というお話をしました。
表情筋エクササイズ、顔ヨガなどとも言われるこの体操、
ほうれい線にも効く、と書いてあることが多いですね。
顔のシワというと、真っ先に思い浮かぶほうれい線ですが、
実は、シワではなく、たるみの仲間なんですね。
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
年齢とともに、骨のボリュームが少しずつ減ってきます。
具体的に言うと、頭蓋骨の目の部分の穴が大きくなってきたりします。
下の図で言うと、青い斜線で囲まれるエリアですね。
(絵心ないですが、自作しました)
図の赤い線で書いてある部分が、じん帯といって、
骨から皮膚までを貫く線維性の柱(カーテン)があるところです。
年齢に伴い、重力や骨の変化と一緒に、このじん帯(カーテン)が緩んできます。
図でいうと、左から右の変化ですね。
昨日お話しした表情筋は、このじん帯とも結合しています。
そして皮下脂肪は、この表情筋の上に乗っかっています。
そのため、じん帯の緩みとともに、
筋肉・皮下脂肪・皮膚全てが雪崩のように、
下に向かってずり落ちていってしまうんですね。
それが目元のたるみ、ほうれい線を作る大きな原因になっています。
たるみは、皮膚の更に奥からの変化に注目する必要があるんです。
ここが、シミ(紫外線や摩擦などで、皮膚表面が変化する)と大きく違うところです。
表情筋は、昨日もお話ししたように、骨とは直接繋がっておらず、
じん帯や皮膚と、ある意味「ゆるく」結合しています。
これが、豊かな表情を作れる理由なんですね。
しかし、逆に言うと、表情筋をいくらトレーニングしても、
くっついているじん帯や皮膚がたるんでしまうと、
一緒に下にずり落ちてしまうのです。
筋トレして脂肪を減らせば、重力に逆らえる!というわけではないんですね。
皮下脂肪に関しては、場所によって増えたり減ったりすることが、
たるみの一因になります。
たるみにヒアルロン酸が良いと言われるのは、
緩んできているじん帯を補強したり、
足りなくなった皮下脂肪のボリュームを補ったりできるからなんですね。
顔の場合は、痩せるとたるみが目立つ場合もあり、バランスが難しいのです。
あ、舌をぐるぐる回す体操などが、ほうれい線に良いと言われますが…
舌の筋肉は表情筋ではありませんし、
こうしたたるみのメカニズムとは違う場所にあります。
舌をぐるぐるすると口元の筋肉も一緒に動きますが、
ほうれい線から下の筋肉を鍛えても、根本的な解決になりません。
ほうれい線より上の部分が、骨やじん帯の変化に伴ってずり落ちてくるのですから…
もちろん、舌の体操は飲み込む機能を維持するのに有効であり、
老化予防として歯科の先生がお勧めするのは一理あるのですが、
残念ながら、ほうれい線には効果が期待できないということですね。
たるみ予防といえば、強いマッサージにも注意が必要です。
重力に逆らうように一生懸命上に引っ張りながら
ぐるんぐるんと念入りにマッサージされる方がいますが、
手を離したら、元に戻ってしまいますし、
伸びた皮膚がたるみを作るので、良くありません。
強いマッサージは、じん帯を緩める可能性も…
妊婦さんを思い浮かべたらわかりますが、皮膚はすごく伸びるんです。
しかし、伸びた分を自力で元に戻すのは非常に困難です。
マッサージは肝斑(かんぱん)などシミの原因にもなりますので、
![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
コロコロローラー?みたいなものを、下から上に押し付けて転がすのも、
たるみに効果がないばかりか、シミのもとを作ってしまいます。
目元のたるみを予防したいあまりにマッサージをすると、
目の周りが色素沈着を起こして、クマに見える原因になりますので、
これまたご注意を…