こんにちは。 札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医のSatokoです。
 
「さとこさんのスキンケアって、肌断食ですか?」と聞かれたことがあります。
 
先日開催した美容講座のアンケートでも、かつて肌断食をしたけれどうまく行かなかった、
というコメントをいくつかいただきました。
 

肌断食は極端な方法なので、向き不向きがあります。

実は私自身も、この「古典的?肌断食」、続けられませんでした…

 
私のスキンケアは肌断食とはちょっと違って、もう少しマイルドです。
そして、基本的にメイクを楽しむことを前提にしています。
 

私がどうしてうまくいかなかったかを振り返って、3つのポイントを書きますね。

今日はその1です。

 

(30代以上の乾燥肌の方を対象にしています。

10~20代のニキビ肌の方には当てはまらない部分があるのでご注意くださいね。)

 

 

そもそも、肌断食とは

 

肌断食、いろんな方がいろんな方法を提唱されているので、

明確な定義は難しいのですが、

 

「何もつけないスキンケア」

「水のみ洗顔」

「スキンケアやメイクを一切やめる」

 

などが代表的なフレーズですね。

(ここでいうメイクとは、メイクアップおよび基礎化粧品全般のことです)

 

洗顔後、ワセリンのみ付けましょうという方法もあります。

 

いずれにせよ、肌に使うアイテムを極力減らしましょうというコンセプトですね。

 

 

ワセリンだけで軌道に乗せるのは難しい

 

まず初めに、「洗顔後何もつけない」という方法、

これはほぼ間違いなく失敗します。

 

季節やその方の体質にもよりますが、

たいていの方(かつての私を含めて)は長年のスキンケアで肌が傷んでいるので、

そこで何もつけないと、乾燥のヒリヒリ感に耐えられず挫折します。

 

また、一番シンプルな組成を持つワセリンですが、

これだけを付ける方法もなかなか難しいです。

 

なぜなら、ワセリンは「保湿」ではなく、「保護」だからです。

 

肌表面からの水分の蒸発を防ぎますが、

それ自体に肌の水分を増やす作用はないんです。

これが、保湿剤(処方箋薬でいうとヒルドイドなど)との大きな違いです。

 

肌を自力で回復させなければならないんですね。

後日その3でも書きますが、スキンケアが間違っていると、

いつまで経っても肌が回復しないんです。

 

そうしているうちに、ワセリンだけだと痒くなってしまったり、

多く付けすぎることで毛穴がふさがり、ニキビができやすくなったりします。

 

 

大多数の女性は、メイクをやめられない

 

ワセリンがうまくいかないもう1つの理由は、

ファンデーションがうまく付けられないこと。

 

ワセリンを塗ったうえにパウダリーファンデーションは、

どうしてもよれてしまいます。

 

リキッドファンデーションならよれにくいですが、

これだと強いクレンジングが必要になり、

皮膚の状態を改善させるのが難しくなります。

 

ワセリンだけ付ける肌断食を推奨されている女性は、

ご自身がノーファンデまたはノーメイクがほとんどです。

 

でも、たいていの女性は、やっぱりメイクはやめられないと思うのではないでしょうか。

 

人前でも自信を持てる綺麗な肌になりたい!と思って

肌断食に挑戦するわけですから、

 

ファンデーションがよれて人前で綺麗に見せられないのなら、

ワセリンが続けられなくなるのは当然ともいえます。

 

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ワセリンは刺激が少ない点は良いのですが、やっぱりお化粧ノリは悪いです。
その点、お手持ちの基礎化粧品の方が使いやすいと思います。
 
いきなり全部は変えられない!という方は、
今までお使いだった化粧水・乳液・クリームの中から、
クリームだけを塗るようにしてみると良いですね。
 
 
明日は、理由その2を書きますね。
 
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
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