こんにちは。 札幌出身・アメリカ在住の皮膚科専門医/美容皮膚科女医の日景聡子です。
先日の美容講座の事前アンケートで、こんな内容がありました。
「メイクが崩れないためのオススメアイテムを教えてください」
最近の日本の商品にはちょっと疎いのですが、
ネットで検索すると、崩れないメイク下地なども出てきているようですね。
崩れないメイクは、水も油もはじく
汗にも皮脂にも強いとなると、水とも油ともなじみにくい、ということになりますね。
これを実現するには、特殊な加工をされた成分が必要です。
例えば、フライパンなどでよく使われるフッ素加工は、水も油もはじきます。
これを利用して、「くっつかない」「焦げ付かない」を実現するわけですね。
崩れないメイクアイテムにも、この技術が応用されています。
フッ素加工以外にも、加工技術はいろいろありますが、
水も油もはじく、というのは、便利なようでデメリットもあります。
普通のメイク落としで落ちない
昨日ご紹介した椿オイルやオイルDは、椿油100%の完全なオイルです。
これで落とせる強さまでのメイクが理想だと思いますが、
崩れないメイクアイテムの成分は、理論上オイルだけではちょっと難しいと思います。
強い界面活性剤が必要になり、いわゆる「オイルクレンジング」でないと
落ちない可能性が高いです。
日常使いには、ちょっと向きませんよね。
オイルクレンジングで角質層の保湿成分を大量に奪ってしまうことが、
皮脂の分泌を更に増やしてしまうことに繋がり、
結果的にメイクが崩れやすくなります。
汗をかく環境は限られているので、普段メイク崩れの大きな原因は皮脂ですよね。
皮脂によるメイク崩れが嫌だからと、崩れないメイクアイテムを使うと、
オイルクレンジングが欠かせなくなり、更に悪循環になります。
肌に優しいメイクで全く崩れない、というのは難しいですが、
スキンケアを見直して、肌の水分・油分のバランスを整えることで、
崩れにくいメイクを作ることは可能です。
崩れないメイクアイテムは、ここぞという時だけにした方が賢明ですね。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。