こんにちは。 札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医のSatokoです。

 

先日、あまりにも疲れていて…

気づいたらソファで意識がなくなり、メイクしたまま寝てしまいましたガーン

 

そういえば、メイクを落とさないと〇〇歳老けるとか、

以前雑誌に書いていたな…

 

今日はこの都市伝説?について書いてみます。

 

 

 

なぜ老けると言われるのか

 

翌朝起きて鏡を見ると、たしかに目元のシワが目立っています。

保湿しないで寝たので、皮膚が乾燥しているからですね。

 

小じわは、皮膚の乾燥や年齢に伴うコラーゲン線維の減少などで出てきます。

保湿をするだけで小じわが改善することは、よく経験します。

 

(これが、ヒルドイドが美容目的で使われた一因なのでしょうね)

 

メイクを落とさないということと、コラーゲンの減少が早まるとか

新陳代謝が落ちる、ということは医学的に関連がないです。

 

メイクは皮膚の外側についているもので、

そこから何か生体に影響を及ぼす物質が出ているわけではないですし、

仮にそうだとすれば、昼間メイクをしているだけで年をとることになってしまいます。

 

 

よく誤解されていることですが、皮膚は呼吸をしていません。

空気と触れる部分、皮膚の一番外側を構成している角質細胞は、死細胞だからです。

生体活動をしていません。

 

汗や皮脂が分泌されることはありますが、皮膚は基本的に排泄する臓器なんです。

 

メイクをすることで皮膚が呼吸できなくて苦しがっている、というのは

例えとしてはわかりやすいですが、医学的には違うんですね。

 

メイクを落とさないで寝ると老ける、と言われるのは、

ファンデーションのよれ、ひび割れ、皮膚の乾燥が合わさって、

翌日に皮膚の細かいしわが目立つからなのだと思います。

 

老けて「見える」ということですね。

 

ちなみに、あのあといつも通りにスキンケアすることで、私の見た目は元に戻りました(笑)

 

 

 

翌日鏡を見て、落ち込まなくても大丈夫

 

もちろん、新陳代謝が活発になる睡眠前半の時間、

メイクをしたままの状態だと毛穴が詰まって

ニキビができやすくなるというのはあります。

 

(睡眠と新陳代謝の関係は、こちらに書いています)

 

皮膚の乾燥も進むので、寝る前にメイクを落として保湿して寝ることは大切です。

メイクしたまま寝ていいよ、とは決して思っていません。

 

ただ、翌朝に鏡を見て罪悪感いっぱいに

「ああ、5歳老けたかもしれない…」と落ち込む必要はないですよ照れ

 

またその日から、スキンケアに気を付ければいいだけです。

 

そして、「メイクをしたまま寝てはいけない」と同じくらい

「皮膚に負担をかけずにメイクを落とす」も意識してくださいねひらめき電球

 

寝る前にメイクを落とさなきゃ!はいいのですが、

ゴシゴシと強いメイク落としで皮膚をこすって洗っていては、

 

将来的にシミや赤ら顔がひどくなり、

そっちの方がかえって老けて見えるんじゃないかなと思ってしまいます。

 

「メイクを1日落とさないと、老けた分を取り戻すのに〇日かかる」とかも

雑誌で見かけたことがありますが…

 

ゴシゴシ擦り過ぎて1日で失った角質を取り戻す方が、はるかに大変です。

 

正しい知識をもとに、健康な肌を保ちたいですね。

 

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。 
 
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