こんにちは。札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科医のSatokoです。
 
先日、高熱にうなされて5日間寝込んだ時のこと。
 
ブランケット・毛布と布団を計4枚重ねても寒くて、
高熱と悪寒のせいだと思っていたのですが、
 
何のことはない、汗をかいた下着を取り替えていなかったからなんですね(汗)
トイレに行った時に、この単純な事実に気づき…
着替えたら、体があったまりました照れ
 
というわけで、根本を見直さないと、
いくら上から重ねたところで意味がない、というお話です。
 
 
化粧品をいくら重ねても、乾燥するんです
 
このお悩み、この冬に結構聞かれました。
アメリカでは日本の化粧品が手に入りづらいので、
どうしたものかと悩む人が多かったのですね。
 
でも、ちょっと待って。
いくら塗っても乾くって、どういうことなのでしょう?
 
ラインナップを見せてもらうと、
日本から持ってきたという
化粧水、美容液、乳液、アイクリーム、セラムクリーム?(こってりクリーム)…
 
え、こんなに塗っているのにどうして?
というわけで、いろいろ聞いてみると、
 
やっぱり、洗顔(メイク落とし)にワケがありました。
 
私、知らなかったのですが、
アメリカのとあるメーカーのハンドソープを
メイク落としとして使う、というのが
こちらの日本人の間でちょっとした流行りになっていたようなんです。
 
別なお友達からも、それ、どうなの?と聞かれていたので、
成分を調べてみたのですが、
 
ラウリル硫酸ナトリウム、という
強い界面活性剤が入っていました…チーン
 
確かに油汚れはよく落ちますが、
顔には使ってほしくない成分ですね。
 
シャンプーなどにも、含まれていることがありますが、
避けた方が良いです。
 
メイクがよく落ちるから、という理由で使っていた彼女ですが、
朝も別な洗顔フォームで念入りに洗顔していたようです。
 
まずは、メイクとメイク落としを見直すようアドバイスしました。
 
 
 
化粧品も、化学成分がたくさん

 

いわゆる基礎化粧品にも、化学成分がたくさん入っています。

もちろん、有効成分と謳われるものも入っていますが、

それは全体の数パーセントです。

 

水と油を馴染ませる界面活性剤、アルコール、

防腐剤、香料、などなど…

 

手作り化粧品を作ろうとしたことのある方なら、

よくご存じと思います。

 

以前お話しした通り、化粧品は基本的に角質までの作用を目的に作られています。

 

そして、その角質内での浸透を高めるために、

界面活性剤が使われることもあるのです。

 

つまり、浸透させるために、皮膚のバリアを壊す、ということですね。

そこまでして浸透させたい有効成分とは、何なのでしょう?

 

化粧品を選ぶとき、こういったことを考えることも大切です。

 

「シミ、しわを消す」と書いていますか?

「たるみを改善させる」と書いていますか?

 

書いていないはずなんですね。

一般的な化粧品では、こういう表記をしないように法律で決まっています。

 

 

化粧品は、肌の機能を補うツールになる一方で、

化学成分を顔に塗っているという側面もあります。

 

保湿という観点で考えれば、

化粧水、美容液、乳液…とフルラインで揃える必要はありません。

 

少し前に話題になった、保湿剤のヒルドイド。
美容目的に使う方が多く、医療費を圧迫していると
問題になりましたね。
 
ヒルドイドも、ローションやクリーム、いろいろありますが、
基本的に好みや症状に合わせて1種類のみの外用ですよね。
それと同じです。
 
落とすプロセスに目を向けずに、あれこれ付け足しても、
それが皮膚にとって本当に必要なものとは限りません。
 
バリアの壊れた皮膚に、かえって余計な成分を塗りこんで、
アレルギーを起こすことだってあります。
 
(茶のしずく石けんが、その代表例ですね)
 
皮膚に必要なもの、不要なもの。
気を付けるべきところと、こだわる必要のないところ。
 
新年に新しく化粧品を買い足す前に、
お手持ちのアイテムやスキンケアを見直してみませんか?
 
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。