こんにちは。 札幌出身の皮膚科専門医/美容皮膚科女医のSatokoです。
 
視力が悪い私は、裸眼で仕事をする時に
どうしても顔をしかめてしまいます。
そうすると、眉間にシワが寄っています。
 
また、目を見開くクセがあり、
長年にわたり額にシワを寄せていたため、
年齢の割に額のシワが目立ちます。
 
 
こういうシワのお悩みには
ボトックスの注射が効く、というのは
だいぶ知られてきたのではないかと思います。

 

しかし、それ以外にもボトックス治療の意外?な使い方があるのでご紹介します。

 

 

(ボトックス®、というのは実は商品名で、

ボツリヌストキシンが正式名称なのですが、

広く使われている呼び名なので、ボトックスと書いておきます)

 

 

ボトックス治療は、筋肉の働きを抑える

 

肌のお悩みって、自分で気づくことが大半ですが、

他のお悩みは気づかないこともあります。

 

特に、寝ている時の症状。

 

私、自分ではずっと気づかなかったのですが、

家族からの指摘によると

「寝ている時の歯ぎしりが酷い」んだそうですチーン

 

どうやら、日本にいた時からのようです。

 

もっと早く言ってよ~えーという感じですが、

意識がないので、自分でどうしようもないです。

 

そういえば、中学生の時、

顎関節症になり、口腔外科でマウスピースを作ってもらい、

それをはめて寝ていました。

 

歯ぎしりの大きな原因は、

ストレスや不安、睡眠障害など様々なんだそうですが、

自分でコントロールできないので、対処が難しいですよね。

 

長年にわたって歯ぎしりを続けると、

顎の痛みや頭痛、歯へのダメージに繋がります。

 

こうした症状を軽減するのにも、

ボトックス治療が役立ちます。

 

咬筋(こうきん)という、エラの部分に相当する筋肉の働きを抑えることで、

歯ぎしりを抑えます。

 

食べたり、噛んだり、話したりする機能には影響しない打ち方をします。

 

↑Masseterが咬筋です(画像お借りしました)

 

 

一石二鳥?の歯ぎしり治療

 

実はこの治療、歯ぎしりだけでなく、

美容目的にエラを目立たなくする治療にも使われます。

 

エラが張る原因になる咬筋の働きを抑えて

小顔になる、ということですね。

 

(筋肉を対象にするので、もともとエラの骨が張っている方は適応外です。)

 

治療後は、エラが小さくなり、顔がほっそりします。

 

片方だけで食べ物を噛む癖がある方は、

片方の咬筋だけが発達して目立つこともあります。

 

もちろん、片方だけにボトックスを打つことは可能ですが、

なるべく普段の生活習慣から、左右対称を心がけたいですね。

 

 

アメリカでは、こんな症状にもボトックスが使われます

 

日本の教科書には載っていなかったのですが、

アメリカでは慢性の、頻発する偏頭痛にも

ボトックス治療が適応になるようです。

 

偏頭痛、私も経験ありますが、

とーっても辛いんですよねえーん

 

他の薬物治療との違いは、

症状が出る前にボトックス治療をすること、

つまり予防効果を期待するということですね。

 

3か月に1回打つそうです。

 

頭と肩を合わせて31か所(!!)も打ちますが、

15分程度で終わるそうです。

 

頻度や持続時間など、適応になるには条件があるのですが、

私も偏頭痛がひどくなったら、試してみたいなと思っています。

 

歯ぎしりしていたなんて、恥ずかしいなーと思いつつ、

いびきでなくて良かった…とも思いました(笑)

 

ちなみに、いびきは耳鼻科の先生の領域ですウインク

 

いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。