ドイツ人家族を新居へ招待したときのこと。
日本に滞在した経験のある彼らは、日本人のように、時には日本人以上に
とても細やかな気遣いをしてくれる。
招待するたびに、いつもなにかと手みやげを色々持参してくれるのだが、
今回は引っ越し祝いということで、特別な品を用意してくれていた。
それは、なんとびっくり、塩とパンだったのである。
ライプチヒ歳時記-パンと塩

この贈り物はドイツ人の伝統らしく、その意味は「富と繁栄」だそう。
これらはお守りとして大切にしておくようで、日本とはこれまた全然ちがう習慣に
驚かされた出来事だった。

それから別の日に、今度は韓国人親子が遊びにきた。
窓から眺めていると、えっちらおっちら、なにやら大きいものを抱えてやってきた様子。
(注;我が家はアパートの二階)
到着して驚いた。
転居祝いに持ってきてくれたものは、、な、なんと、トイレットペーパーと洗濯石けん
だったのだっ!!
$ライプチヒ歳時記-洗濯石けん

もう面白いやら嬉しいやらで、いったいどんな意味があるの?と聞いてみれば
日本語が堪能な彼女がいうには
「ウンもついて、運気が上がる!」なーんて駄洒落を飛ばしてくれた。
笑いながらよくよく聞くと、「火消し」の意味があるらしい。
これも、韓国の昔からの伝統だそうである。

引っ越し祝いでこれだけ楽しめるとは知らなかった。
面白いから、色んな国の友達をこれから呼ぶことにしよう。
いったいどんな贈り物をしてくれることか、今から興味津々である。




新しいアパートの地下室にある倉庫。ドイツではココに普段使わないモノをしまっておく。
でもむき出しのコンクリートの冷たさに、昔はここが牢屋だったんでは??なんて憶測してしまう
ほど、なんだかオソロシイ場所なのである。
ライプチヒ歳時記-地下室
この一ヶ月の間に引っ越しが終わり、書展が終わり、それから日本の友達も無事に帰国した。
ふと気づけば、もう7月が終わろうとしている。
家にかけてある8月のカレンダーが、早いとこ7月分をめくってくれ、と催促の声をあげているようだ。

夏がなかなか来なかったライプチヒにも、この2週間はとても暑い日が続いている。
先日は最高気温が29℃で、めっちゃ暑いねん!とスカイプで友達に話したら
彼女に ”はあああ~っ”、と大きなため息をつかれてしまった。
日本は今、うだるような酷暑だそうで、もちろんクーラー無しでは生きていけない、
と彼女は話していたな。
続けて2度も日本の夏を体験しなかったら、あれだけの暑さをかなり忘れるものなんだなあ、、
と人ごとのように思う自分が情けない。
そりゃそうだ、ライプチヒにはどこの家庭にもクーラーというものが無いんだし、
日が完全に落ちてしまうと(といっても夜9時過ぎるが)昼間の暑さはどこへやら、
夜はとっても涼しくて気持ちのよいドイツの夏なのである。

週末の今日は、リカの友達二人が泊まりにきている。
一人は韓国人、もう一人はイタリア&シンガポールの混血児だ。
久しぶりの再会とあって、ただいま夜の11時、寝る気配がこれっぽちも無い。

毎回気になるお風呂だが、泊まりに来るサトシとリカの友達は、お風呂はもちろんのこと
シャワーすら浴びないのがフツーである。
(ドイツに移り住んで以来、湯船に浸かる習慣のある外人に会った試しは一度も無い。)

ええっ??さっき公園でめっちゃ汗かいたやんっ??
日本人ならホント信じられないのだが、外人ってけっこうそんなものなんである。
強者なんて着替えすら持ち合わせてないんだから、もう、すっとこどっこいだ。
そして、もちろんそのまま寝床へ、、。
クサいまま布団に入るなっ!、、と怒鳴りたくなるけど、ここはグッと我慢である。

たいていの日本人は毎日風呂に入る、ということを聞いたドイツ人が知り合いにこう言ったそうな。
「ええっ?!日本人ってそんなに体臭がキツいのっ?」
ちがうっちゅーねんっ!!




さとし達グレード5の卒業式の様子。
この写真の直後、照明が怪しげに光って曲がガンガン鳴り響き、全員総立ちで生徒は皆狂ったように
踊りまくっていた。なんという卒業式っ!!
$ライプチヒ歳時記-卒業式
金曜日の朝、サトシの教室へ行くと、彼はなにやら真剣な表情で机に向かっている。
おおっ!!ここにきてやっとやる気が出てきたか、、と内心ほくそ笑みながら
少年に近づいた。
と、目に入ったのは、一枚のアンケート用紙。
「これなあ、今日中に先生に渡さなあかんねん。めっちゃ悩むわあ~、、」
はてさて、サトシを大いに悩ませているものは一体??

しげしげと眺めてみれば、以下のような質問が並んでいた。
(下記参照)
$ライプチヒ歳時記-yousi

○一番有名になりそうな級友は?
○一番早く結婚しそうな級友は?
○一番子だくさんになりそうな級友は?などなど。
子だくさん~の質問なんて、選ばれた生徒は見た目がオッチャンかオバチャン??
まあとにかく、ブッと吹き出してしまう質問である。

担任は、いったいこれで何をしようというのか。
統計を取って、各質問で一位になった生徒の名前を廊下にでも張り出すつもりか、
はたまた五年生の担任が密かに集まって、クックック、、と腹をかかえて爆笑するネタに
するつもりなんだろうか。
ワケが分からないが、よくもこんなに面白いことを考えつくものである。

夏休みが明ければ、新学年。
日本の学校とちがい、ここは転校して来る生徒と転校して行く生徒が大勢いる。
それに加えて、リカの担任はオーストラリアへ、サトシの担任はアメリカへ、とそれぞれ
故郷へ帰る予定だ。

空は青い。
空気は緑の香りをちりばめる。
夏だというのに、ドイツでは別れの季節である。





ドイツの花はとても安く買える。
たった2ユーロ(260円)で買ったオレンジの百合が、一週間も家中を明るくしてくれた。
ライプチヒ歳時記-百合
ライプチヒに二週間もの間、雨が降り続いた。
地元の人たちもびっくり、なんと50年ぶりに起こった出来事だったらしい。
それは日本の梅雨をドイツで体験しているかのような、雨、雨、雨、雨、雨、。

ところが、懐かしむどころではなかった。
ヨーロッパが大変な洪水になっていたのだった。
日本でもニュースになったみたいだが、この近辺の川も溢れんばかりの水位になり
とうとう子供達は今週の火、水曜の二日間とも学校が休みになる。

休みの間、警報は出ているものの、川はいたって平穏だ。
おまけに晴れ間も見えてきた。
早めの夏休みが到来!なんて感じで、さっそく子供達ははしゃぎまくっている。
それで公園に連れ出して一緒に遊んだり、近所のタイレストラン、平日お得ランチに
連れて行ったりした。
(余談だが、500円ほど出せば大盛りのライスに本場仕込みのカレー、スープか
春巻きがセットで付いて、とてもお得でとっても美味しいおススメの店だ。)

とかなんとかしているうちに、木曜日は学校オープン!
というメールが流れてきた。
ようやく警報も解け、今は川の水位も元に戻りつつある。

来週からは今月26日の三学期終業式に向けて、いよいよカウントダウンが始まる。
サトシ達グレード5の卒業式やお別れピクニック、毎年恒例夏祭りや社会科見学、
などなど行事が目白押しだ。
というわけで、宿題なんて、もう終業式まで一切無し。
とにかく、今月は遊ぼう、楽しもう、面白いこと一杯しよう、ってなノリなんである。

それが終わると、いよいよ長いながーい50日間の夏休みがやってくる。




近所の観光スポット。
このすぐ後ろにアフリカレストランがあるが、何を提供されるのか恐ろしくて
まだ行ったことがない。
$ライプチヒ歳時記-橋
今週もやっと学校が終わった。
やったー、いっぱい遊ぼー♡
とばかりに、金曜日はサトシとリカがそれぞれ友達を連れてきたので、
我が家で一緒に夕食を食べることにする。

台所で夕飯の準備をしていると、楽しげにみんなでワイワイと話しているのが聴こえる。
連れてきた友達はサトシが韓国人、リカがアメリカ人だ。
4人の共通語はもちろんイングリッシュ。
英語漬けの学校に二年もいれば、会話力は誰だって上がりはしても下がることはない。
だけど、悲しいことに、文法はまだまだヒヨコレベル。
思うに、日本の英語塾に通っている子供達の方が文法はしっかりしていることだろう。。
そう、ただペラペラ。
めちゃくちゃだけど、聞いた限りじゃペラペーラ、なのである。

そんな具合で、我が家のチビ共は日本語でも英語でもどっちの言語でも全然オッケーやで~、
と偉そうに言っているが、さて。


ところで、リカが英語で話している時には、サトシをそのまま
「Satoshi」
と呼び捨てで使うが、(外国ではそりゃ当たり前)
日本語で話すときには、日本に居たときと同様、殊勝にも
「お兄ちゃん」
と呼んでいる。

ここでは、周りがみんな呼び捨てだ。
そんな中で、お兄ちゃん、お姉ちゃん、、、という日本語での呼びかけは、
なかなかグッときたりするものである。




ライプチヒから車で約1時間の町、ロイナ。
歩いていると、アジア人が珍しいのだろう、ここの住人達がわざわざ振り返ってまで
私たちを見ていた。ツアー客はまず来ない片田舎である。

$ライプチヒ歳時記-ロイナ