金曜日の朝、サトシの教室へ行くと、彼はなにやら真剣な表情で机に向かっている。
おおっ!!ここにきてやっとやる気が出てきたか、、と内心ほくそ笑みながら
少年に近づいた。
と、目に入ったのは、一枚のアンケート用紙。
「これなあ、今日中に先生に渡さなあかんねん。めっちゃ悩むわあ~、、」
はてさて、サトシを大いに悩ませているものは一体??

しげしげと眺めてみれば、以下のような質問が並んでいた。
(下記参照)
$ライプチヒ歳時記-yousi

○一番有名になりそうな級友は?
○一番早く結婚しそうな級友は?
○一番子だくさんになりそうな級友は?などなど。
子だくさん~の質問なんて、選ばれた生徒は見た目がオッチャンかオバチャン??
まあとにかく、ブッと吹き出してしまう質問である。

担任は、いったいこれで何をしようというのか。
統計を取って、各質問で一位になった生徒の名前を廊下にでも張り出すつもりか、
はたまた五年生の担任が密かに集まって、クックック、、と腹をかかえて爆笑するネタに
するつもりなんだろうか。
ワケが分からないが、よくもこんなに面白いことを考えつくものである。

夏休みが明ければ、新学年。
日本の学校とちがい、ここは転校して来る生徒と転校して行く生徒が大勢いる。
それに加えて、リカの担任はオーストラリアへ、サトシの担任はアメリカへ、とそれぞれ
故郷へ帰る予定だ。

空は青い。
空気は緑の香りをちりばめる。
夏だというのに、ドイツでは別れの季節である。





ドイツの花はとても安く買える。
たった2ユーロ(260円)で買ったオレンジの百合が、一週間も家中を明るくしてくれた。
ライプチヒ歳時記-百合