絵本モンゴル秘史 6
絵本モンゴル秘史 6

モンゴル秘史 6
テムジンはトオリル•ハーン(ワンハーン)を訪ね、訪問のわけを話して支援を願い出た。
トオリルハーンは答えた。
「我が軍は二万の兵で右翼を支え汝を支援しよう。テムジンの友ジャムハには二万の兵で左翼を固めるよう進言しよう」
三軍一つになって戦い、メルキト部族を全滅させ、ボルテを奪い返すことができた。
テムジンは昔の友人だったジャムハとホルホナグの谷に隣り合って逗留した。
初めて会った時にアンダ(盟友)の誓いを結んだ仲であった。その時、テムジンは十一歳で、ジャムハはテムジンに大鹿のくるぶしの骨を与え、テムジンはお返しに銅を充填したくるぶしの骨をジャムハに贈った。
それから後の春の日に、二人は二度目のアンダの誓いを取り結んだ。ジャムは音の出る矢(鳴り鏑)を贈り、テムジンは檜の頭を持つ鏑矢を贈った。
絵本モンゴル秘史 5
絵本モンゴル秘史 5

モンゴル秘史 5
テムジンが手枷で牢を打ち割り、逃げ出した時、タイチュートは追い続けたが、テムジンは逃げ延び、スルドスのソルハンシラと呼ばれる男に出会った。男はテムジンを車に積んだ羊毛の中に隠して匿ってくれた。命の恩人であった。
そこからテムジンはオノン河とヒムルガ川を上流目指して進み、ベデル県のホルチョハイという場所で母と兄弟たちに再会した。
家族はそこで野うさぎや野鼠を捕まえて生き延びた。
ブルハン•ハルドン岳の南側を流れるセングル川の辺のハルズルフのフフノール(青い湖)というところで暮らした。
テムジンが十七歳になった時、前に婚約していたボルテを母の家に連れて来た。
テムジンは父の旧友であったワン•ハーン(トオリル•ハーン)に会って、散り散りになった昔の聚落の人たちを集めて自分の傘下に入れるのを手伝ってほしいと頼んだ。
ワン•ハーン(トオリル•ハーン)は同意し支援を約束した。
冬が迫ろうとしているある朝、メルキト部族がテムジンを攻撃しにやって来た。
テムジンと他の者は馬に乗ってボルハン岳に向かって行ってしまい、召使いの老女ホアグチンとボルテは牛車に乗せられたが車の軸が壊れてはずれてしまう。
メルキトの兵士はボルテを略奪して去った。(かってイェスゲイがホエルンを奪ったことへの報復だった)
テムジンは弟のベルグテイ、ボールチとゼルマに、もしメルキトが自分を捜しに来るようなら後を追ってくれと頼み、テムジン自身は命を救ってくれたボルハン岳に登り、太陽に向かって九度ひざまづいて加護に感謝し祈りを捧げた。
巻二の終り
絵本モンゴル秘史 4
絵本モンゴル秘史 4

モンゴル秘史 4
テムジンが家に戻ったとき、父のイェスゲイはすでに亡くなっていた。
タイチュート氏族の人たちはホエルンとテムジンたちの牧地を見捨てて旅に出る準備に忙しくしていた。
ホエルンは子供たちを養うために野生の梨やさくらんぼを採取した。
男の子たちは魚を捕ったり釣ったりして母の手助けをした。
テムジンの異母兄弟のベグテルとベルグテイはたびたびテムジンとカサルの獲物を横取りした。
ついに、テムジンは怒りを抑えきれずベクテルを弓で射殺してしまった。
時が過ぎて、あるときタイチュート氏族の男がやって来て「ホエルンの息子も成長して一人前の男になっているだろうから面倒を起こさないうちに手を打たねばという噂がある」と告げた。
ホエルンは心配して林の中にテムジンと小さな要塞を作った。
カサルが弓を射ようと身構えた時、タイチュートの兵士は大声で叫んだ。
「テムジンを引き渡せ! 他の兄弟には用はない」
これを聞いたホエルンと兄弟たちはテムジンに逃げるよう説得し、森の奥深くへ逃げ込んだ。
しかし、タイチュートは四日間見張りを続け、テムジンが森から出て来たところを取り押さえて連れ去った。
テムジンに手枷(てかせ)をはめると、タイチュートの者たちはオノン河の堤で酒宴をあげた後、引き上げて行った。
絵本モンゴル秘史 3

モンゴル秘史 3
テムジンが九歳になった時、イェスゲイは将来テムジンの妻となるにふさわしい娘を求めるために、ホエルンが子供時代を過ごしたオルフノード聚落への旅に連れ出した。目的地に行き着く前にオンギラト聚落の首領のダイツェツェンと出会った。
どこに行くのかと尋ねられたイェスゲイは「息子の嫁にふさわしい娘をさがしにオルフノード聚落に行くところだ」と答えた。
ダイツェツェンは「私のテントにおいで下さい。小さい娘がいますから会ってください」と誘った。
ダイの娘は美しく、歳はテムジンより一歳年上の十歳で名をボルテといった。
そこでいいなずけの約束をし、テムジンを婿として残してイェスゲイは帰ることにした。
帰りの道でタタル部族の聚落に立ち寄って食事をごちそうになった。
タタルの人はイェスゲイを仇だと知っていて、ひそかに毒をもった食事を与えた。
馬に乗って進んでいるうちに体の調子が悪くなったがなんとか自分の家までたどり着くことができた。
家に入るとイェスゲイは親戚筋の若者メンリグに言った。
「帰り道でタタルに騙されて毒を飲まされて苦しい。すぐに出かけていってテムジンを連れ戻してくれ」
メンリグはすぐに飛び出して行った。
絵本モンゴル秘史 2

チンギス•ハーンのルーツ
天から運命づけられて生まれたまだらの狼がいた。その妻は美しく白い牝鹿であった。
夫婦は大きな湖(バイカル湖)を渡って来て、オノン河の源流となるブルハン•ハルドン岳に住み、そこで息子バトツァガーンが生まれた。
( )内は訳者の追記
(バトツァガーンの10代後のドブ・メルゲンにアランゴヤという名の美人の妻がいた。アランゴヤは、夫に先立たれ、寡婦となってから、ある夜、一人で寝ていると、天から白い光が下って金色の神人となった。アランゴヤは神人と交わって妊娠し、ボドンチャルが生まれた。このボドンチャルが、チンギス・ハーンの直接の先祖とされている。)
イェスゲイ•バータルが、仇敵タタール部族の頭のテムジン•ウゲを捕虜にして戦から戻って来た時、妻のホエルン•ウジンは身ごもっていてオノン河の辺のデリウン•ボルダクに住んでいた。
ちょうどその時に生まれたのが後にチンギス•ハーンとなるその人である。
生まれた時、右の手にシャガーのような血の塊を握っていた。(シャガー:羊のくるぶしの骨で作った玩具)
タタール部族のテムジン•ウゲを連れて来た時に生まれたのでテムジンという幼名を与えた。
イェスゲイ•バータルの正妻ホエルン•ウジンからは4人の息子と一人の娘が生まれた。息子の名
はテムジン、カサル、カチウンとテムゲ。娘の名はテムルン。
もう一人の妻ソチゲルからは二人の息子、ベグテルとベルグテイが生まれた。
参考資料
「蒼き狼」 第一章 井上靖
「成吉思汗実録」 那珂通世(なか みちよ)
絵本モンゴル秘史 1
2013年12月19日(木)記
絵本モンゴル秘史 1
原作 ч.Баяармаа(Ch.バヤルマー)
和訳 佐藤武久

モンゴル秘史はモンゴルの起源からチンギス・ハーンの死とオゴディ・ハーンの統治までの時代を含んでいます。
この本は十二章で構成されています。
第一章 テムジンの出生と幼年時代
第二章 十代のテムジン
第三章 メルキト族の滅亡、テムジンがチンギス・ハーンの称号を受ける
第四章 ジャムカとタイチュートとの争い
第五章 タタールの滅亡とワン・ハーンとのいざこざ
第六章 ケレイトの滅亡
第七章 ワン・ハーンの滅亡
第八章 クチュルクの逃亡とジャムカの死
第九章 親衛隊の創設
第十章 ウイグルと森林部族を征服
第十一章 中国、タングート、サルトール、バグダット、ロシアを制圧
第十二章 テムジンの死とオゴディ・ハーンの統治
最初の十章はチンギス・ハーンの死の二年後の1228年(黄色の鼠の年)に書かれ、後の二章はオゴディ・ハーンの死んだ1241年の後に書かれました。
関連資料:
成吉思汗実録 那珂通世(なか みちよ)
上毛かるた へ 平和の使い新島襄
2013年12月15日(日)記
上毛かるた へ 平和の使い新島襄
群馬で暮らしていた頃、子供たちが遊んでいた上毛かるたに新島襄があったのを思い出して検索してこのブログにたどり着きました。
懇切丁寧な記事で大いに参考になりました。
群馬の旅 上毛かるた紀行 「平和の使い 新島襄」

冬の星座
2013年12月13日(金)
冬の星座
朝4時頃トイレの窓から雪の晴れ間の星空が見えた。
ジュピターが一段と明るく輝いてモンゴルの冬の空を思わせた。
写真には撮れなかったが星座アブリ(Night Sky 2)によればこんなふうに見えたはず。
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