佐藤武久のモンゴル通信 「崑崙の高嶺の此方より」 2001年12月公開
2019/06/24 Update
「崑崙の高嶺の此方より」
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/7544/mncont.htm
カッコウの鳴く谷で
インターネットによるパテント情報の収集とオンライン出願
電子技術者のためのパテント情報活用術 (2002/03/21更新)
http://www.geocities.jp/sato032/hoops/frame.htm
http://sato032.ken-shin.net/hoops/index.htm
元の皇帝フビライ ---草原の虹ーーー
2017/09/20

元の皇帝 フビライ 大草原の虹 岡本好古
p302
ポーロ兄弟は、ここで、キリスト教の賢者を同行させられなかった事情をのべたが、
「それは残念だが、もう苦にするな。そなたたちが万里万苦を越えてふたたび来てくれたことがいかなる土産にもまさる」
ニコロはすかさず、傍に平伏してるマルコを紹介した。ほうっ・・・・・と言うようにこの時、大君主はこの若者の燃える瞳にぴったりと視線を固定した。チンギス・ハーンの誇りある孫、六十歳の大汗フビライと、ヨーロッパから長い旅を続けてきた二十一歳の若者との運命的な出会いであった。
大汗は、一目でこのマルコが気にいった。それは霊感的ともいえる一瞥である。
「マルコと申すか。余はこのいま、とつぜん・・・・ 天より息子を一人さずかった気がする。さあ、何なりと望みのものをとらせる。ひたすら東へ、あけぼのへ向かって旅してきた熱意に褒美を与えたい」
「陛下、すでにいただいております。私の大好物は、幾万里の遠路もいとわず夢と冒険を追いつづけることです。陛下が、西方を望まれ、関心と期待をもたれるより何百倍も私は東方の国と高名なる陛下にあこがれ、三年半かかって到達できました。
陛下をを仰ぎみられるこのいま、これ以上の褒美がありましょうか。あとは陛下にお仕えしてお国を見させていただきとう存じます」
マルコ・ポーロ的記憶力・・・・・の表現があるように、後年あれほど精確緻密な「東方見聞録」をあらわしたマルコの記憶力は超人的であった。旅の途上のさまざま風俗の見聞と実体験、すなわち、あけぼのへ向かって旅したマルコ・ポーロの大ロマンを、それから連日、可汗に語り、可汗は興味津々のあまり夜を徹して耳をかたむけた。
当時、国々がせめぎあう狭苦しいヨーロッパは、キリスト旧教の重石に抑圧されていた。そこから脱して、ヨーロッパでは考られない大地のひろがりのなかで、マルコ・ポーロが初めて知った『拡散』感は、何にたとえられよう。


