廃刀令(1867)が産んだモノ | 近藤サト オフィシャルブログ「ベルベットフィール」Powered by Ameba

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年齢を重ねてくると、色んなところが衰えてくるのは当然で、私も『寄る年波』に日々翻弄されています。
でも、加齢もなかなか良いなぁと思うのは
特に知識や見解の広がりです。

若い頃は、経験値の浅さゆえ疑問に思わなかったことが一々引っかかるようになる。
今、大人の学び直しが流行っているのも頷けます。大学受験予備校でもガチなのをやってほしいな。

ちなみにマイブームは幕末くらいからの近代史。
ちょうど、予備校講師の金谷俊一郎さんの本(東進ブックス)を読んでますが、これがまたとっても情緒的で実はオトナ向き。

私は受験生じゃないから結果を出さなくていいのでとても楽しく読み進められ、と同時にいろいろ疑問がでてきます。

例えば、1870年代後半は不平士族反乱の時期、武士が様々な特権を奪われ困窮していきます。1876年には秩禄処分、廃刀令でいよいよ窮地に。いろんなところであばれて、西郷隆盛の西南戦争へと繋がっていきます。

ふんふん、そうだったよね。

学生時代ならここで内容をつかんだらさっさと次の章に行くところですが、ちょっとまて、と思います。

そりゃ武士は弾圧されて暴れ回る力があったからでしょうが、廃刀令が出たあと、今まで武士頼みの仕事をしてきた人達はどうなったの?と。

そこで、私は自分の持っている明治大正期作の帯留めを思い出します。今ではもう再現できない素晴らしい細工の帯留め。これらは明治時代にその芸術的な技が花開きました。

そう、これこそ廃刀令で一瞬にして職を失なった刀の鍔や鞘の装飾をしていた職人たちが作ったものなのです。彼らは武士みたいに暴れられませんから、ここに活路を見出していったのです。

とまあ、いろいろと思考の寄り道をしながら受験参考書をよむのが私の息抜きです。