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【あらゆる本が経営者として、作家として、選手としての勉強になる】

ムエタイの世界を読んで①

菱田慶文著『ムエタイの世界』内で「ギャンブルムエタイ」という単語がよく使われている。
現在のムエタイはギャンブルを中心に回っているからだ。
ギャンブルムエタイを行うことで周りの従事者に対し、たくさんの仕事が生まれているという。
しかし、先述したが、ギャンブルという行為自体がタイという国では下に見られているため、ムエタイのスターになろうがTVスターのようにチヤホヤされたり、羨望の眼差しで見られるわけではない。
ムエタイ信仰の厚い外国人の方が、彼らのことを認めているのかもしれない。
若かりし頃の私のように。

そこらへんはタイのプロモーターたちも色々と考えているのだろう。
昨今ではThai FightやMAX Muaythaiなど、エンターテイメント色の強い興行がタイだけではなく、日本を含む世界各国で開催されるようになった。
実際、これらの団体のエースであるブアカーオ・パンチャメーク選手は、タイ国内では誰もが知るスーパースターに成りつつある。
こういった動きが実を結び、ムエタイ選手が世間的にも陽の目浴びられるようになったら嬉しいなあ。

文中に「競技として成立しているからこそ、ギャンブルとして成り立つ」というようなことが書かれていたが、この点に関しては私は懐疑的である。
なぜなら、文中にもあるが「ジャッジの採点がギャンブラーたちの声援の大きさで左右される」というのは、私は競技として崩壊していると思うからだ。
また、採点の付け方も本当に1ラウンド毎につけているのか、疑わしい点数もよく見かける。

あと、これは私の経験なのだが、2004年4月のチャンプアック戦のことである。
予備計量を余裕でパスしたので、私は本計量で自信満々に体重計に乗った。
すると1ポンド(約453.6グラム)オーバーを言い渡されたのだ。
信じられなかった。
一緒に計量に付き添ってくれた日本では名トレーナーのヌンサヤームさんが、
「レフェリーを怒らせないように、そーっとそーっと体重計に乗るんだ。
そして、息をいっぱい吸って少しでも体を軽くするんだ」
と言った。
ようは、レフェリーのご機嫌次第なのだ。
怯えた目つきで、

「お願いします。レフェリーのあなたは素晴らしい方なので、どうか計量をパスさせてくださいませ」

という姿勢でいないとダメなのだ。
選手に対し、何のリスペクトも感じられない。
家畜か何かか?俺は、と。
このときからだね、私がムエタイを嫌いになったのは。

あえて言おう私はムエタイが嫌いだ(2010年)

ちなみに、計量オーバーを言い渡された後、私はルンピニースタジアムの外にある運動場を走らされた。
しかし、ほんの数分少し走っただけで戻って来いと言われた。
間違いなく1ポンドも落ちているような走り方ではない。
そして先ほどのヌンサヤームさんから教わったヘコヘコと頭を下げながら体重計に乗ったら、合格を言い渡された。
つまり、レフェリーの個人的感情による体重操作がまかり通っているのだ。
だから、私は現在のムエタイが競技として成立しているとは思えない。

「ならば他の格闘技団体はどうなんだ?」
という話にもなるが、どこの団体も多かれ少なかれ、首を傾げるところはある。
それを話し合いや謙虚な姿勢で徐々に是正していくことが、格闘技界の発展に繋がるのではないだろうか 。

Thai FightやMAX Muaythaiなどの、ギャンブラーではなく選手にスポットライト当てた興行が発展していくことを願いつつ、日本発のムエタイイベントにも多いに期待している。

ジュニアムエタイ戦士では私の知る限りでもたくさんのスター候補がいる。
大田原友亮選手、大田原虎仁選手、石井一成選手、福田真斗選手など。
生活の手段としてしかムエタイを選べなかった物質的なハングリー精神の持ち主よりも、好きでこの世界に飛び込んだ精神的ハングリー精神の持ち主の方が、私は人間的に強いと思っている。

ムエタイのタイ国内における復権は、ひょっとしたら海外勢のムエタイに対するリスペクト精神が必要なのかもしれない(今の私には無いが)。

完璧な団体などない。
選手は自分にとって一番都合がよく、一番輝けると思った場所で、がんばるしかない。
それはムエタイでもいいし、キックボクシングでもいいし、K-1でもいい。

思い通りにいかないからといって、いちいち新しい団体を作っていたら、そのうち1つの階級に日本チャンピオンが100人くらいできてしまうよ(そのメリットもあるが、ここでは省く)。

俺がキック界を統一する!!

という立派な言葉をよく聞く。
だが「統一する!!」と言うからには、自分が一番嫌いで、もう口も聞けないような隣人と、もう一度膝を合わせて話し合う必要がある。
それができないのなら

俺がキック界を統一する!!

なんて綺麗事は言わない方がいい。
仮に統一できたとしても、すぐに空中分解して、選手はまた辛酸なめ子になる。
それなら、かつてのK-1のように、一強が他を駆逐する業界になった方がよっぽど健全である。

PS
助言、意見、批判は全て受け付けます(根拠のない中傷誹謗は耳を通り過ぎますが)。
色々とお互いに考え合って話し合って、より良い業界(プロモーターにとっても、選手にとっても、ファンにとっても、そしてギャンブラーにとっても)にしていきましょう。

明るく生こまい
佐藤嘉洋
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2014年8月24日
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