【口コミ方式の結婚式に集まった一部の仲間たち】
拙著『1001のローキック』の準レギュラー、 アナコンダ皮痴くんの結婚式に行ってきました。
「祝いたいヤツは祝ってもいいよ」という立候補制or口コミ方式の結婚式。
さすが風の谷の王、アナコンダ皮痴くん、大物です。
……というのは本当は誤解で、実は小心者の皮痴くん、全方位に気を使い過ぎて誰も招待できなかったのです。
「オレみたいなヤツの結婚式に……」という体の「祝いたいヤツは祝ってもいいよ」という形になったのは容易に伺えるでしょう。
皮痴くんは私の結婚式にも来てくれていて、今年に入ってからは式場の相談とかも受けていました。
「嘉洋さんが挙げた式場の姉妹店にしようと思ってるんですけど……」
「あそこは料理がとても美味しいのでオススメですよ」
「ですよね、僕も嘉洋さんの結婚式のときに凄い美味しかったのを覚えています」
「式はいつなんですか？」
「4月19日です」
「名古屋JKフィットネスの会員さんも働いているんですよ。こりゃ楽しみだ(行く気マンマンの私)」
しかし、一向に来ない招待状。
妻からは、
「あなたたち、何かあったの？」
とまで心配される始末。
「おい、嘉洋は呼んでおけよ」
という仲間からの進言に、仕方なくかどうかはわかりませんが、
「もしよかったらジム代表として来てください」
と式の一ヶ月前にようやく電話がありました。
「そりゃもう、喜んで」
【クスクス笑いの誓いの言葉】
式が始まりました。
「オレだけは参列させろ！」と立候補制の式に手を挙げた仲間たちは、神聖な教会において神を冒涜しました。
誓いの言葉を交わす場面で、
「アナタは固く節操を守ることを誓いマスカ？」
と、わざとらしいカタコトの神父が言い、
「はい、誓います」
と皮痴くんが口を開いた刹那、
「んふんふ…」
と言った堪えきれない笑いが聞こえてきたのです。
私も耐えきれずに吐息を漏らしてしまいました。
我慢し過ぎて汗をかいてしまいました。
でも仕方ないんてす。
なんせフリーター時代に風俗でベンツが買えるくらい費やした男(『1001のローキック』参照)ですよ。
風俗のボーイにお金を借りてまでプレミア嬢に入りたい男(『1001のローキック』参照)ですよ。
何が「節操」だと。
神のイカズチが落ちてこないかと本気で心配になりました。
アナコンダ皮痴くん結婚【後編】
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