前回の記事で書いたが、2023年11月に複数の反JW団体が、アンケートや調査など具体的な数字を使ってJWの実態について記者会見を開き報告した。

 

 

 

 

私としては、日本支部も大きなダメージを受けたと思った。しかし、日本支部は強気に出たようだ。

 

 

当然、日本支部もこれまで世界本部に報告し、どう対応すべきか伺っていたと思う。私の推測に過ぎないが、恐らく世界本部は、これまで日本でのこれまでの状況をあまり深刻に捉えていなかったのではないかと思う。なんとなくだが、単なるメディアの一時的なあおりで、しばらく黙っておけばおさまるだろう、ぐらいに思っていたのではないかと思う。

 

それで、とりあえず5月の段階では、政府に協力的な態度を示し、適当にごまかすような返答しておこうと思ったのかもしれない。

 

しかし、この11月の反JW団体の告発に関しては、強気に出た。

 

 

 

 

 

 

 

報道によると、プレスリリースを発表し、反論したようだ。

個人的には、なんで今頃になってなんだ、もっと早い段階でしてほしかったのに、と感じだ。

とはいえ、きちんと説明したのは良いことだと思った。正直、これまで、未信者の家族から、あるいは一般の人から報道に関して質問されても、何も答えることができなかった。ただ、「間違っていることもある」としかいえず、何が間違っているかなどは何も知らされていなかったし、正直、報道は正しいように思えた。

 

それで、私もネットで探してプレスリリースを見てみた。プレスリリースは、エホバの証人が、特に報道関係者に示したもので、エホバの証人が言う偏向報道する可能性のある新聞報道が要約したものを見るのではなく、直接その文章を見たかったからだ。

 

その内容は、基本的に、報道が言う内容と間違いなかった。メディアのエホバの証人に関するネガティブな報道は、間違っている。とはいえ、どこがどう間違っているかは全く触れない。また、ヨーロッパの人権裁判所の判決などを引用しているが、日本で起きている事に関して告発されているのに、それに関しては何にも触れていない。また、ロシアがエホバの証人を反対しているのと同じだと述べていたが、ロシアがエホバの証人を反対する理由は、エホバの証人が過激派だと言うこと。確かにそれは間違っているように思える。しかし、今回の一連の報道は、エホバの証人が児童虐待しているか、子供に輸血拒否を強要しているか、性的虐待が起きているかと言うもの。それに関しては一切触れない。さらに、「報道機関が正確な情報を伝え、エホバの証人のような脆弱な少数派を尊重することは非常に重要です」と述べて、あたかも、自分たちが被害者であると訴えたのだった。

 

今回、反JW団体が訴えている問題には、また、政府の示す宗教虐待Q&Aには一切触れず、ただ、ヘイトだ、脆弱な少数派が迫害されていると訴えるのは、あまりにも根拠がなさすぎると思った。と言うより、「あなたの宗教大丈夫なの?」と純粋に心配して聞いてくる一般の方々に対して何も答える内容になっていないのだ。

 

さらに、驚愕のニュースが出た。

 

 

 

 

 

 

えっ!周知してなかったの?

報道では、以下の通り。

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教団は取材に「周知は政府・行政機関の役割であり、宗教組織として行うことではない」と周知していないことを認めた上で、「子どもの保護や福祉に関する最新の法律を知っておくようにするのは親の責任であると周知した」と説明した。

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明確に述べたわけではなさそうだが、事実上宗教虐待Q&Aは周知しておらず、各自親が自分で確認する義務があるって?

 

よくわからなくなってきた。2023年5月の時点では、政府に協力するように言っていたし、周知したようなことを言っていたはず。

 

もう一度例の2023年5月10日付の手紙を見てみた。

 

 

もう一度例の2023年5月10日付の手紙を見てみた。最後のほうにこういう一文があった。

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また親の皆さんには,子供の保護や福祉に関わる最新の法律を知っておくようにする責任もあります。

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ここで、あえて「宗教虐待Q&A」とは言わず、「子供の保護や福祉に関わる最新の法律」とだけ言って、政府関係者には、あたかも、「宗教虐待Q&A」を見るよう親に促しているという印象を与え、同時に、わたしら信者は、正直何のこと言っているのかわからないようにしたのだ。

 

結局、「子どもの保護や福祉に関する最新の法律を知っておくようにするのは親の責任である」ということを周知しただけで、宗教虐待Q&Aのことは何も触れずにいたのだ。


政府関係者には、協力している、従っているという印象をうまく与え、JWにとってはあたかもことを荒立てているかのように映る、報道関係者には、何も嘘などついていないし、自分の責任ではないと、強気に主張し、さらに信者には、何もわからないようにするという作戦なのかなと感じだ。


どんな対応をしようがかまわないが、子供もつJWの親は、一体どうしたらいいの? 結局、子供に無輸血を強要すべきなの?学校の行事ごとに不参加させるのに、なんていえばいいの? まだ小さい子供の場合はどうするの?親は、何をすると、虐待とみなされる行為なの?長老たちは、親にどう励ますべきなの?


日本支部は、ただうまく言い逃れるために、純粋な信者たちを後回しにした形だ。日本支部は自分たちが法的に訴えられないために、言い回しに気をつけ、決定は、個人の責任、無輸血を強要ではなく、より良い治療を選択したい、という言葉を巧みに使った。では、あるJWの親が児童虐待として問題を起こしたとしても、それは個人の責任なので、勝手に処罰を受けてくれという事になる。


報道に対して強気に出たのには、何か根拠があるのか、自分たちの立場は問題ないと法的に確立できる方法があるのか、私にはわからない。


上記の読売新聞の「周知していない」という内容のニュースは、ごく一部のメディアでしか取り上げられなかった。恐らく、日本支部は、はっきりと「周知していない」と言ったわけではなく、「JWの親各自が自分で知っておくようにと周知した」という言葉のトリックを使ってうまく誤魔化そうとしたところ、この新聞記者が、じゃあ、事実上「周知していない」じゃないかと真相に触れたのではないかと私は推測している。


JWが嫌いなのは、メディア。うまく言葉で誤魔化すことができない。ましてや今のネットワーク社会で、うまくやりおおせるはずはない。


JW日本支部は、もしかしたらここまでうまくやったと思っているのかもしれない。ただ、私が懸念(期待?)しているのは、実は、この先のことだ。


実は、メディアやネットであまり取り沙汰されていない情報がある。それは、国会での岸田首相の答弁だ。


つづく