英語遊歩道(その24)-「生成AI」Copilotの脅威 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

今年も、年賀状作りがどうにか終わった。毎年のことだがもう30年くらい惰性で続いている。とは言え、一人一人に対する言葉を考えながら今年一年を振り返る良い機会になっている。

 

 

今年は、GoogleDEEP LなどのAI翻訳ソフトを業務で普通に用いるようになった年でもあった。

 

今から10年以上前の翻訳ソフトの翻訳結果はひどいものだったちんぷんかんぷん、でたらめな英語で使いものにならなかった。相当な校正が必要であり、人手で一から翻訳し直した方が早いということも多々あった。

 

 

それがここ数年で飛躍的に改善された。AIによるものである。また、コストは基本的に掛からない。翻訳者になりたての頃、10万近くかけて購入したLegal Transerというソフトがあったが、大して使いものにはならなかった。それからすれば夢みたいな話である。

 

これらのAI翻訳ソフトによる翻訳結果は70~80%程度はでき上がっている日本語の独特な言い回しや、代名詞の使い方などに注意をしてチェック(校正)すれば、ほぼ使える英文になる翻訳に掛かる時間は10分の1以下に短縮された

 

 

さらに、最近「生成AI」を使い始めた。MicrosoftのCopilotというものである。Copilotとは「副操縦士」という意味だが、このソフト恐ろしいパワーを持っている。

 

翻訳について言えば、より具体的な要求をすることができる。例えば「子供でもわかるような簡単な英語に翻訳しろ!」とか、「社長のスピーチのような洗練された英語に翻訳しろ!」などなど。Copilotはこれらを一瞬にして片づけてしまう。恐ろしいパワーだ。

 

また翻訳だけではない。Copilotは、語学はもちろんのこと、数学、物理、化学、文学、歴史などどんな質問にも答えられる。例えば、身近な英語について、こんな質問をしてみた。

 

(質問)「must(義務)やmust not(禁止)の過去形は何故無いのか?そうであれば、どう表現すれば良いか?」

 

(Copilotによる解答)

“must"(義務)や“must not"(禁止)の過去形がない理由は、これらが法助動詞(modal verbs)であり、時制を直接持たないためです。法助動詞は現在や未来の状況を表現するのに特化しており、過去の義務や禁止を表すためには他の表現を使用します。

 

過去の義務を表現する場合:

had to を使います。これは“must" の過去形として機能します。

例: I had to finish my homework.(宿題を終えなければならなかった)

 

過去の禁止を表現する場合:

was not allowed toまたはwere not allowed toを使います。これは“must not"の過去形として機能します。

例: They were not allowed to enter the room.(彼らは部屋に入ることが許されなかった)

 

このように、“must"や“must not"の過去の状況を表現するためには、適切な動詞フレーズを使用することが必要です。

 

いよいよ恐ろしい時代になった。CopilotがPilotになる日も近いだろう。英語を勉強する意味を何処に求めたら良いのか?