大学入学後、下宿生活にも慣れてきた1978年5月。テレビもない下宿の部屋でラジオの深夜放送を聴くことが多くなっていた。
教養部の授業に価値を見いだせず、スチューデント・アパシーに近い状態になった。「何のために大学に入ったのか?」と漠然と思うようになっていた。
時間は山ほどあるのに、自分が進むべき方向がわからない、そんな状況だった。もしかしたら今の状況に似ているかもしれない。
そんな1978年5月のある夜、ラジオからある曲が流れてきた。田中美智子(榊みちこ)の「北へ向かって」。
何故か心に残る曲で、今も時々頭に浮かぶ。次に北へ向かうのは果たして何時のことだろうか?