東京で働いていた頃、「ハナキン」という語があった。
「花の金曜日」を略していった語で、週休二日制が定着して、サラリーマンが土・日の休日をひかえ、金曜日の夜は心おきなく楽しめるようになったところからいう。
確かに金曜日は飲み会が多く何となく心ウキウキしていたが、果たして本当に楽しめていたのか疑問である。
これに対して「トリキン」という反対語があった。これは「取り残された金曜日」のことで、金曜日の夜もオフィスに残って黙々と残業することをいった。
ちょっと昔の経済用語に「根拠なき熱狂(Irrational Exuberance)」というものがある。
1996年12月に当時のFRB議長アラン・グリーンスパンが米国株価の上昇にバブルの兆しを牽制する際に使った言葉である。
同時期の米国株式市場において、S&P500種株価指数の年間上昇率が約21%、また株価収益率が平均して予想利益の19倍強という中、アラン・グリーンスパンは、12月5日の講演で、上がり続ける株式相場を「根拠なき熱狂」と形容した。
以来、2000年にかけてのネット関連企業を中心とした「ネット・バブル」や「トランプ相場」の発生と破裂に際して、この言葉が繰り返しメディアで取り上げられたことからバブルの同義語として定着した。
But how do we know when irrational exuberance has unduly escalated asset values, which then become subject to unexpected and prolonged contractions as they have in Japan over the past decade?
しかし、「根拠なき熱狂」が過度に資産価格を押し上げ、その後日本で過去10年間起きたような予想外の長期にわたる縮小にさらされてしまう局面を、我々はどうやって知るのだろうか?