昨日季節は「春夏型」などと書いたが、日が沈むとまだ肌寒い。日中は20℃近くまで気温が上がっても、夜は10℃以下になる。いわゆる「花冷え」と呼ばれる時節である。
この土日、あちこちで桜を見たが、山間では梅と桜が同時に咲いているところ、耳を澄ますと鶯(うぐいす)の鳴き声が聞こえてくるところもあり、なかなか風情がある。
いつの間にか、このような自然の風情を楽しめる年齢になってしまった。
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江南春 杜牧
千里鶯啼緑映紅 千里鶯啼いて緑紅に映ず
水村山郭酒旗風 水村山郭酒旗の風
南朝四百八十寺 南朝四百八十寺
多少楼台煙雨中 多少の楼台煙雨の中
(現代語訳)
広々とした平野の、あちこちから鶯の鳴き声が聞こえ、木々の緑が花の紅に映えて美しい。
水辺の村や山沿いの村には酒屋の旗が春風にたなびいている。
また、古都金陵には、南朝以来の多くの寺院が立ち並び、
その楼台が春雨の中に煙っている。
(流離の翻訳者・拙訳)
Bush warblers are singing in every fields filled with fresh green looking brighter against crimson flowers. In waterside and mountainside villages, bar flags are fluttering in a spring breeze.
Hundreds of temples have been built since the Southern Dynasties, a lot of towers of which are veiled in a misty rain.
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早くこのような平穏な日本に戻って欲しいと願うばかりである。