特集・入試英作文への挑戦(その1) | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

気がつけば3月。今年も受験シーズンが過ぎ去ろうとしている。今は国公立大学の二次試験の問題や解答がネットで簡単に手に入る便利な時代になった。

 

今から14年前、産業翻訳者になりたての頃、大学入試の英作文問題の英訳を旧ブログに掲載した時期があった。結構な反響があった。

 

それから14年が経過し、それなりの修行を積んだ(?)産業翻訳者の目で現代の大学入試英作文に再度挑戦してみることにした。従って、現在の「福岡・博多慕情編」は暫くの間休止する。

 

 

我々が受験生の時代(44年ほど前)に比べて今の問題文はボリュームも随分増えており、受験生が如何に大変かは英訳してみて十分に理解できた。

 

但し、以下に掲載する英訳は予備校の講師等による模範解答とは全く異なるものと思われる。何故なら産業翻訳者がそれなりに時間を掛けて好き勝手に書いた趣味の英文だからである。そんなことを前提に読んでいただければ幸甚である。

 

 

まずは、私の母校、京都大学(文系・理系共通)の英作文問題(計2題中の1題)に挑戦することとしたい。

 

 

Ⅲ.次の文章を英訳しなさい。

 

数ある旅の楽しみの中で、車窓からの眺めというのもまた捨てがたい。そこに美しい自然が広がっていれば、ただただ目の保養になる。でも、ありふれた田舎や町並みを眺めているのも悪くない。そこに見かける、此の先出会うこともなさそうな人々は、みなそれぞれにその人なりの喜びや悲しみとともに暮らしている。そう思うと、自分の悩み事もどこか遠くに感じられて、心がふっと軽くなる気がするのだ。

2022年 京都大学)

 

(流離の翻訳者・拙訳)

Among a lot of pleasures of traveling, I think, scenery from train window is attractive in its own way. Beautiful nature spread in the scenery, if any, itself can serve as a feast for the eyes. Nevertheless, it is not bad to simply look at commonplace countryside or town streets. Those who are found in these places, and who are not likely to meet again in the future, are respectively living their own lives with their own joys and sorrows. Such casual facts seem to keep my own agonies somehow away from my mind, and also to lighten my troubled heart a little in a moment.