「無関心な」-形容詞 Indifferent | 流離の翻訳者 果てしなき旅路

流離の翻訳者 果てしなき旅路

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴16年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

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またまた歌からの記事であるが、Carpenters”Solitaire”という曲がある。これもとても好きな曲である。

 

Solitaireとは「トランプの一人遊び」を言うが、この歌詞、実に孤独な心情を表現している。その歌詞の始まりは以下のようになっている。

 

There was a man, a lonely man, who lost his love through his indifference.

「一人の男がいた。寂しい男だった。無関心さから愛を失くした男だった。」

 

この「無関心」のindifference、その形容詞形のindifferentであるが、以前から判然としないところがあった。「異なる」の意味のdifferentに接頭語(prefix)のin-を付けると何故「無関心な」の意味になるのか?Indifferentdifferentの反意語ではないのか?

 

今回、これについて調べてみる。

 

その前に、この接頭語のin-、実は曲者で反意語どころか同意語を作り出すケースもある。例えばflammable inflammablevaluable invaluableなど、以前何処かで書いたと思う。

 

では、まずindifferentの定義を見てみよう。

 

Indifferent:

1) If you accuse someone of being indifferent to something, you mean that they have a complete lack of interest in it.

「人が何かに対して完全に興味が欠乏している様子を非難していう」

 

2) If you describe something or someone as indifferent, you mean that their standard or quality is not very good, and often quite bad.

「ある物や人の標準(水準)または品質が、あまり良くない、またはしばしばかなり悪い(ありきたりな)様子をいう」

 

この時点で解決の糸口はつかめない。結構難問のようである。では、次にdifferentの定義を見てみよう。

 

Different:

1) If two people or things are different, they are not like each other in one or more ways.

「二人の人、または二つの物が一つ以上の面(点)で互いに似通っていない様子」

 

2) You use different to indicate that you are talking about two or more separate and distinct things of the same kind.

「同じ種類の物で二つ以上の別々の全く異なった物(色々な物)を指し示す場合に用いる」

 

3) You can describe something as different when it is unusual and not like others of the same kind.

「ある物が、同じ種類の物の中で普通でない、他の物と似通っていない(ありきたりでない)ことを述べる場合に用いる」

 

 

両方の定義を調べてみてやっと答えが見えてきた。すなわちdifferentは「ありきたりでない」、indifferentは「ありきたり」なのである。「ありきたり」だから興味が持てず「無関心」になるのである。

 

Different「ありきたりでない」 ⇔ Indifferent「ありきたりな」

 

 

久しぶりに紙の英和辞典を開いてみた。College Lighthouseという辞書である。この辞書のindifferentに以下の記述があった。

 

どちらも「別(different)扱いにしない」という意味から「どちらにもつかない(中立の・公平の)」→「無関心な(気にかけない・冷淡な)」の意味となった。

 

Differentには(良い意味で)特別なの意味があるようである。