ピカレスク・ロマン(ピカレスク小説)とは、下層階級出身の召使や詐欺師などの主人公が様々な社会や事件に出会った経験を述べる小説で風刺・ユーモアの要素が多い。悪漢小説とか悪党小説とも呼ばれる。
この「ピカレスク・ロマン」という言葉で思い出すのが、私が学生時代に上映された日本映画「白昼の死角」(1979年・角川映画)である。数年前にDVDを購入して何度も観ているが豪華なキャストで実に痛快な物語である。残念ながら、主役の夏八木勲さん含めてキャストの多くが他界している。
ほぼ同時期にテレビドラマ化もされたが、こちらは主役が渡瀬恒彦さんだった。大好きな俳優だったが4年前に他界されている。
映画の方のキャッチ・コピーは「狼は生きろ、豚は死ね」という強烈なもので、主題歌「欲望の街」(ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)も、当時は都会の冷たさを感じさせるもので素晴らしかった。
テレビドラマ版の映像の一部をYouTubeで観られるようだが、いつの日かDVD化されることを期待するばかりである。
Picaresque:
A picaresque story is one in which a dishonest but likable person travels around and has lots of exciting experiences.
「ピカレスクとは、不正ではあるが魅力的な(憎めない)悪党が、あちこちを旅して多くの刺激的な経験を積む物語をいう」