「黄泉がえり」 “Resurrection” | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

先日から鼻風邪をひいてしまい今日もまだ完治していない。ここ半年ほどの仕事や勉学の疲れが押し寄せてきている。

 

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先日ひと昔前の日本映画をみた。以前にみているはずだが細部は全く覚えていなかった。「黄泉がえり」というものである。

 

「黄泉」(よみ)とは「死後、魂が行くという所。死者が住むと信じられた国。」(広辞苑)のことで、「黄泉の国」を英語では “land of the dead”, “underworld”, “world of darkness”, “lower world” など様々な訳語があり、神話では “Hades” と表すようである。


「黄泉がえり」(甦り・蘇り) “resurrection” が適訳だろう。この動詞 “resurrect” についてもビジネスでは使ったことがない。
 

Resurrect:
If you resurrect something, you cause it to exist again after it had disappeared or ended.
「あるものが消え失せた、または終了した後にそれを再び生き返らせること。」
 
Resurrection:
In Christian belief, the Resurrection is the event in which Jesus Christ came back to life after he had been killed.
「キリスト教の信仰において、イエス・キリストが処刑された後に復活したこと。」

 
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この映画は今年震災に揺れた熊本を舞台としており、映像も綺麗で主題歌「月のしずく」もなかなか良かった。以下歌詞を引用する。
 
「月のしずく」
 
言ノ葉は 月のしずくの恋文(しらべ)

哀しみは 泡沫(うたかた)の夢幻(むげん)

 

匂艶(にじいろ)は 愛をささやく吐息

戦(いくさ) 災(わざわ)う声は 蝉時雨(せみしぐれ)の風

 

時間の果てで 冷めゆく愛の温度(ぬくもり)

過ぎし儚(はかな)き 想い出を照らしてゆく

 

「逢いたい」と思う気持ちは そっと 今 願いになる

哀しみを月のしずくが 今日もまた濡らしてゆく

 

下弦の月が 浮かぶ 鏡のような水面(みなも)

 

世に咲き誇った 万葉の花は移りにけりな

哀しみで人の心を 染めゆく

 
「恋しい」と 詠(よ)む言ノ葉は そっと 今 天(あま)つ彼方
哀しみを月のしずくが 今日もまた濡らしてゆく
 
「逢いたい」と思う気持ちは そっと 今 願いになる
哀しみを月のしずくが 今日もまた濡らしてゆく
 
下弦の月が 謡(うた)う 永遠に続く愛を
 
(「月のしずく」 歌: RUI; 作詞: Satomi; 作曲: 松本良喜)

https://www.youtube.com/watch?v=P-5Ho8JE7Pg