「秋浦歌」 李白 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

先週の雨で季節が進み秋が深まった。昨日の午前中は定期健診だったが、昼から少し車を走らせた。


道沿いのセイタカアワダチソウの黄色と、コスモスのピンクや薄紫が秋空に映えて綺麗だった。日中の車内は暑いほどだったが、日暮れの頃、路傍の温度計は14℃を表示していた。


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「秋浦歌」  李白


白髪三千丈         白髪三千丈(はくはつさんぜんじょう)


縁愁似箇長         愁(うれい)に縁(よ)りて箇(かく)の似(ごと)く長し


不知明鏡裏         知らず、明鏡の裏(うち)


何處得秋霜         何れの處(ところ)にか秋霜(しゅうそう)を得たるを



(現代語訳)

鏡に映された私の白髪は三千丈もあるかと思われるほど長く、これも悲しさや嘆きによるものかと思うとさらに憂鬱な気持ちになる。私はいったい何処で、この曇りのない鏡に映る秋霜のような白髪を身に受けてしまったのだろうか?


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三千丈の白髪と薄くなった自分の髪の毛をふと比べてしまう。まあ死んで灰になればどちらも同じかと思う。以下英訳を見つけたので紹介しておく。


1.

“Autumn Waterside Songs” by Li Po


My white hair streams back many miles long;

As long as my pensiveness is deep and strong.

I’ve often looked at myself in the mirror embossed.

When and where did I take on this hoary frost!


2.

“Lament for Age” by Li Po


My white hair is to reach aground!

With anxiety my hair may overgrow.

My clear mirror doesn’t let me know

Where I got with frost-snow crowned.


流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも