“Be reduced to” 「(人が)…する羽目になる」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

朝からニュースで「寒の入り」といってたが今日は二十四節気の「小寒」である。これを和英辞典で引いてみたら以下の英文が記載されていた。



Two weeks in the lunar calendar that mark the beginning of the coldest time of year (from about 5 January in the solar calendar)

「太陰暦における一年のうちで最も寒い時期(2週間)の始まり(太陽暦では15日頃)」

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久しぶりに英語関係の記事を書く。今年の「書初め」で紹介した「登幽州台歌」(陳子昂)の英訳の中で”reducing me to a flood of tears”という表現を用いた。

これについて今回少しだけ解説する。動詞”reduce”は通常は「引き下げる」「減少させる」の意味で用いるが、工業の世界では「還元する」という意味で用いることもある。

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上記の”reduce”はこのどちらでもない。英英辞典の3)に以下の意味が記載されている。

3) If you say that someone is reduced to doing something, you mean that they have to do it, although it is unpleasant or embarrassing.

「(人が)不快なこと、または厄介なことをしなければならない(ならなくなる)こと」

”Be reduced to”の形で使われることが多く”to”の後は名詞または動名詞である。英和辞典には「(人が)・・・する羽目になる」というわかりやすい訳語が記載されており”conquer”に近いようである。

He was reduced to giving in to them.

「彼は彼らの言いなりにならざるを得なかった」

Students were reduced to silence by the teacher.

「生徒たちは先生に黙らせられた」


流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-be reduced to