「美化する」 ”beautify”とその周辺 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

ある地方公共団体の文書を処理していて「美化する」という日本語がでてきた。”Beautify”という動詞を使っており、名詞形は”beautification”である。


この単語を見た瞬間「これは日本人による造語だ」と感じたが・・・、それは大きな勘違いだったようで由緒正しい単語であった。まだまだ直感を磨く必要がある。


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広辞苑で「美化」の意味を確認しておく。

【美化】

①美しく変化させること、またすること。

②実物以上に美しく表現すること。


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以前はの意味で「自殺を美化するような発言」のように使うことが多かったが「環境問題」がクローズアップされて以来の意味が主流になっている


和英辞典で「美化」を引くとの訳語として”beautify”, “improve the appearance of の訳語として”glorify”, “glamorize”, “romanticize”などが出てきた。


これらの動詞の定義を英英辞典で確認しておこう。


Beautify:

If you beautify something, you make it look more beautiful.

「ある物をより美しく見えるようにすること」


Glorify:

To glorify something means to praise it or make it seem good or special, usually when it is not.

「普通はそうでない物を賞賛したり、またはそれを良い物もしくは特別な物に見せかけること」


Glamorize:

If someone glamorizes something, they make it look or seem more attractive than it really is, especially in a film, book, or program.

「特に映画、本または番組の中で、ある物を実際よりもより魅力的に見せる、または見せかけること」


Romanticize:

If you romanticize someone or something, you think or talk about them in a way which is not at all realistic and which makes them seem better than they really are.

「ある人またはある物を、全く現実的でないやり方、またその人または物の実際より良く見せるやり方で考えるまたは話すこと」


流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-beautification