「陽炎」と「蜉蝣(蜻蛉)」 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

気温の高い日に舗装された直線の道路を走っていると「陽炎(かげろう)」を良く見る。今までは陽炎がどのような現象なのか?などあまり考えたことは無かった。


広辞苑には以下のような説明があった。


かげろう【陽炎】

春のうららかな日に、野原などにちらちらと立ちのぼる気。日射のために熱くなった空気で光が不規則に屈折されて起こるもの。いとゆう(糸遊)。はかないもの、ほのかなもの、あるかなきかに見えるもの、などを形容するのにも用いる。その際蜉蝣(蜻蛉)を意味することもある。


なお「蜉蝣(蜻蛉)」の意味は以下の通り。


かげろう【蜉蝣・蜻蛉】

(飛ぶさまが陽炎のように見えるからいう)

①トンボの古名(以下略)。

②カゲロウ目の昆虫の総称。体も翅も弱々しく、2本または3本の長い尾毛がある。夏、水辺を飛び、交尾・産卵を終えれば、数時間で死ぬ。幼虫は2~3年を経て成虫に羽化。はかないもののたとえに用いる(以下略)。


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ではは英語ではどう言うのだろう。


Heat haze, haze of heat

「陽炎」


The air is shimmering with the heat.

「陽炎が立っている」


The air shimmered over the road ahead.

「前方の道路に陽炎が立っていた」


Mayfly

「蜉蝣(蜻蛉)」


As short-lived as a mayfly

「蜉蝣のようにはかない」

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知ってる人もいるかも知れないが“shimmer”という動詞はEagles”Hotel California”という曲に出てくる。


もともと「微かに(ちらちら)光る」という意味であるが「煌(きら)めく」という意味では”scintillate”という洒落た単語があるので合わせて紹介しておく。


まるで発音がそのまま情景を表現しているような単語である。

流離の翻訳者 果てしない旅路はどこまでも-shimmer