連休の1日目は半日出社したが、以後は猛烈な暑さの中もあちこち出かけている。今日は暑さもやや和らぐようである。
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翻訳の世界で「分詞構文は諸刃の剣」という言葉をしばしば耳にする。「諸刃の剣(つるぎ)」とは「一方では大層役に立つが、他方では大害を与える危険を伴うもののたとえ」(広辞苑)のことである。
Effective drugs tend to have side effects; they’re something of a double-edged sword.
「効き目の強い薬には副作用もあり、いわば諸刃の剣のようなものだ」
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分詞構文のメリットとしては、文章に歯切れの良さやリズム感を付加することであり、またデメリットの一つは文意に曖昧さが生じることである。
従って詩歌など文芸的な英文に使われることが多い。以前書いた俳句の英訳を考えてみよう。
「五月雨の降のこしてや光堂」
Have the summer rains, come and gone, sparing the Hall of Light?
(by Donald Keene)
この英文には倒置法と分詞構文が使われているが、これを取り外してみるとどんな文になるだろうか?私の独断で書きかえてみる。
The summer rains have come and gone, while I wonder they might have spared the Hall of Light.
この場合の”spare”は「・・・なしですます」の意味と思われる。ただ俳句のリズム感は完全に失われた。分詞構文の”… ing”はスプリング(ばね)のようなものに私には見える。
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