今回は、ブログナンバー3200にちなみ、東急のみならず他の私鉄にも存在した、「川造型電車」の話題を取り上げます。
以前の記事(下記関連記事参照)で、東急の荷物電車を取り上げたことがありますが、昭和56(1981)年まで活躍していたデワ3042は、元はデハ3200の3204号でした。そしてこのデハ3200は、昭和2(1927)年に目黒蒲田電鉄向けに、川崎造船所(現川崎重工)で製造されたデハ300で、同年に製造されたデハ3150(旧デハ200)とは兄弟車の関係にあります。
これらの車両は、
・鋼製車体(全鋼製か半鋼製)
・リベットゴツゴツの無骨な車体
・深い屋根
・魚腹型台枠
という共通した特徴をもっており、16~17mの車体長の重厚な外観を持つ電車、ということがいえると思われます。また鋼製車体にしたのは、造船所としての経験・技術を生かしたものといわれています。この「川造型」の電車は、阪急の600形が嚆矢ですが(この車両は日本初の全鋼製車両でもある)、当時の目黒蒲田電鉄以外にも、西武鉄道や長野電鉄など、いくつかの私鉄に投入されています。そういう意味では、「川造型」は、日本初の「規格型電車」であるとも言えます。
なお、残念ながら管理人はこれら「川造型電車」の画像を保有していませんし、文献などから転載すると著作権法上の問題が生じてしまいますので、画像を貼ることはできません。その点は平にご容赦ください。ご興味のある方は、「川造型電車 画像」で検索をお勧めします。
東急のデハ3150・3200は、昭和41(1966)ころから退役が始まりました。もっともすぐ廃車解体になったわけではなく、熊本電鉄などの地方私鉄に譲渡されています。最後まで残ったデハ3200は、昭和45(1970)年に退役しました。その後はデハ3204を改造したデワ3042が、東急における最後の「川造型電車」として活躍を続けましたが、昭和56(1981)年に遂に退役、東急車輛の入換動車にされました。
他の私鉄や地方私鉄でも、車齢から「川造型電車」の退役は進み、平成27(2015)年現在残るのは、津軽鉄道のナハフ1200形の2両だけとなっています。これは元西武鉄道の電車の電装を解除し、客車として使用しているものですが、現在はイベント用として使用されるだけとなっています。
川崎造船所は、川崎重工と名前を変えていますが、鉄道車両の製造は継続しています(こちら)。
どれもそこの事業者の主力車両ばかりですが、中でも注目されるのは、JR東日本のE231・233系を製造していること。両系列は「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」という、日本鉄道車輌工業会が定めた鉄道車両の規格に基づいて製造されていて、いわば「現代の規格型電車」とも言えます。そのような車両を、川崎重工が製造していたというのも、面白い歴史の偶然だと思います。
ただし現在では、JR東日本の在来線向けの車両は、全て自社傘下の総合車両製作所に発注する方針に改められたため、E231・233系の製造からは撤退してしまいました。
21世紀の技術を生かし、外見だけ昭和の「川造型」の電車、あってもいいと思いますよね。ただの妄想ですが。
今回は、ブログナンバーにちなんで、「こんな電車があったんだ」ということで、少々お話をさせていただきました。
◇関連記事
№3040.東急「荷物電車」の思い出
※ 当記事は07/16付の投稿とします。
以前の記事(下記関連記事参照)で、東急の荷物電車を取り上げたことがありますが、昭和56(1981)年まで活躍していたデワ3042は、元はデハ3200の3204号でした。そしてこのデハ3200は、昭和2(1927)年に目黒蒲田電鉄向けに、川崎造船所(現川崎重工)で製造されたデハ300で、同年に製造されたデハ3150(旧デハ200)とは兄弟車の関係にあります。
これらの車両は、
・鋼製車体(全鋼製か半鋼製)
・リベットゴツゴツの無骨な車体
・深い屋根
・魚腹型台枠
という共通した特徴をもっており、16~17mの車体長の重厚な外観を持つ電車、ということがいえると思われます。また鋼製車体にしたのは、造船所としての経験・技術を生かしたものといわれています。この「川造型」の電車は、阪急の600形が嚆矢ですが(この車両は日本初の全鋼製車両でもある)、当時の目黒蒲田電鉄以外にも、西武鉄道や長野電鉄など、いくつかの私鉄に投入されています。そういう意味では、「川造型」は、日本初の「規格型電車」であるとも言えます。
なお、残念ながら管理人はこれら「川造型電車」の画像を保有していませんし、文献などから転載すると著作権法上の問題が生じてしまいますので、画像を貼ることはできません。その点は平にご容赦ください。ご興味のある方は、「川造型電車 画像」で検索をお勧めします。
東急のデハ3150・3200は、昭和41(1966)ころから退役が始まりました。もっともすぐ廃車解体になったわけではなく、熊本電鉄などの地方私鉄に譲渡されています。最後まで残ったデハ3200は、昭和45(1970)年に退役しました。その後はデハ3204を改造したデワ3042が、東急における最後の「川造型電車」として活躍を続けましたが、昭和56(1981)年に遂に退役、東急車輛の入換動車にされました。
他の私鉄や地方私鉄でも、車齢から「川造型電車」の退役は進み、平成27(2015)年現在残るのは、津軽鉄道のナハフ1200形の2両だけとなっています。これは元西武鉄道の電車の電装を解除し、客車として使用しているものですが、現在はイベント用として使用されるだけとなっています。
川崎造船所は、川崎重工と名前を変えていますが、鉄道車両の製造は継続しています(こちら)。
どれもそこの事業者の主力車両ばかりですが、中でも注目されるのは、JR東日本のE231・233系を製造していること。両系列は「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」という、日本鉄道車輌工業会が定めた鉄道車両の規格に基づいて製造されていて、いわば「現代の規格型電車」とも言えます。そのような車両を、川崎重工が製造していたというのも、面白い歴史の偶然だと思います。
ただし現在では、JR東日本の在来線向けの車両は、全て自社傘下の総合車両製作所に発注する方針に改められたため、E231・233系の製造からは撤退してしまいました。
21世紀の技術を生かし、外見だけ昭和の「川造型」の電車、あってもいいと思いますよね。ただの妄想ですが。
今回は、ブログナンバーにちなんで、「こんな電車があったんだ」ということで、少々お話をさせていただきました。
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※ 当記事は07/16付の投稿とします。
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