2009年、深まる雇用(経済・生活)不安と人の心 | 非常勤講師はつらいよ―私学非正規教員の本音と生活向上作戦

2009年、深まる雇用(経済・生活)不安と人の心

2009年を大胆予想! ブログネタ:2009年を大胆予想! 参加中

 そろそろ暫く(冬の間)更新休止に入ろうと思いますが、これは書く事にします。
既に述べてきたように、派遣」を中心に「職の不安」がクローズアップされた昨年 でしたが、先月には「派遣切り」などが話題になり、大量の失業者を生む事となってしまいました。。私と非常に歳の近いブログ読者仲間の方もその対象者に選ばれてしまった と、ご自身のブログで書いておられました。
これも何度か書きました が、「第二次ベビーブーム」とやらで人口は最も多いのに関わらず、新卒の時期には「就職氷河期」と重なり、あまり回復する事もないまま、我々やその前後の世代は、自分勝手な上層部の年代によって良いように使われて切られている感が否めません。自分の身の回りやニュースを見ても。テレビ

新年早々、そうして職を奪われたと思しき人達が、強盗やホームレス襲撃などを犯しました。これらの行為は許せない反面、こうした社会背景が原因と思え、犯人達そのものを責められない気持ちです。職や生活の危機は、ここまで人の心をすさませてしまうのだと。
経済情勢の悪化と共にますます深まる雇用不安。今度は「正社員切り」の声も聞こえてきますし、今年は更なる雇用や生活の悪化と、それに伴う犯罪などが増加するのではと危惧しています。

一方、突然の失業で年末に路頭に迷われた人々のために、寝床の場や食事などの提供の場である「年越し派遣村 」が開設されました。私学非常勤講師をしているネット知人は「明日は我が身と居ても立ってもいられなくなった」と、年始に現場を訪れカンパをしてきた そうです。
この「かねごん」さん 始めサイト開設している教員方も書いておられるように(そして私も何度もここで)、最近は教員募集も正規雇用の「専任教諭」での募集は皆無で、私達のような(名目上は)授業だけ行う「非常勤講師」、そして専任と同じ仕事量と内容で給与は低く保障もない「常勤講師」ばかりです。そして1~3年位で切られますから、学校では既に「派遣切り」みたいな事は行われていた というわけです。実際「教員派遣会社 」もありますし。
なので、上述の「雇用悪化の煽りを最も受けている世代」である事に加え、こうした職業柄からも、私自身も「他人事ではない」という思いが非常に強いです。手を差し伸べて下さった派遣村の方々には、何も出来ないとはいえ素直に心から感謝の気持ちです

 しかし、派遣村関連の記事へのコメントを見ると、「甘やかすな」「自業自得」「働いていない者が食べる資格ない」「能力がないから仕方ない」などの意見とそれらへの賛同者が多く、悲しくなりました。何と冷たい世の中になったのかと!しょぼん
また「派遣を続けてきた自分の責任」「なぜ正社員になろうとしなかったのか」などのコメント、そしてブログ仲間の方の記事にも同様のご意見もありました。
確かに、少し上の世代の方々にとっては、そういう感覚なのかもしれません。実際「本当に働く気があるのか」と発言した大臣もいるそうですし。

小さい頃に父が、テレビや道で見かけるホームレスの人を指して「なぜ、こういう風になったのか分かる?それは、真面目に働いてこなかったからだよ」とよく言っていた事も思い出されます。しかし近年は、ホームレスになる方々も、突然リストラされて家に帰れなくてそうなっていったとニュースで見た事もあります。
かつては「真面目に勉強して一流大学に入れば、将来は明るい」と言われ続け、私自身もそうした大人達の言う事を聞いて勉強し、苦労しながらも一応世の中では「難関」と言われる大学・大学院を卒業したのに、まさかこんな惨状になるとは夢にも思っていませんでした。ショック!講師仲間達だけでなく、そういえば大学時代の同期(遅れて再入学した自分より5~6歳下)や上級生も、定職に就けていない人が目立ちましたね。
少し前そして先日も、東大法学部卒の無職男性(25歳や30歳)が、ネットでの殺人予告で逮捕。彼らはその極端な例のように思います。
このように、かつての「常識」はいっさい通用しませんし、「非正規雇用に甘んじている」のではなく「定職に就きたくても就けない」のが現状なんです。バブル時代を謳歌した世代の方々にはお分かりにならないのでしょうが。上述の通り、これから正社員も切られる恐れがある今、派遣村とそこに集う人々を非難している方々も「明日は我が身」かもしれませんよ。

もちろん、こういう人々が仰せのように、派遣切れでない者も紛れ込んでいる可能性も否定出来ないです。でも、解雇されて仕事が見付からず本当に苦しんでいる人もいるのですし、そういう時に出来る範囲で助ける事って、素晴らしいではないですかビックリマーク失意の中、そうした温かさに触れ「生きる希望が沸いた」というのは、分かる気がします。毎年1年で契約解除が続いて精神的打撃を受け、一時は仕事をする意欲を失った 自分としては。
それに、こうした思いやりは、今度自分が本当に困った時に必ず返ってくるものです。
深刻な経済と雇用状況が危機で苦しむ中、悲しい事件が増える一方で、「助け合いの精神」という光が見えたのは嬉しく、こうした温かな心が広がる年がればという思いであり、自分もそう心がけていくつもりです。
そしてこれを機に、あらゆる分野での労働問題がクローズアップされ雇用条件の改善がなされていく事を願っています。

 なお、その他では、来年が冬季オリンピックという事で、この冬そして今年終盤には、スキーやスケートが盛り上がるのではないでしょうか?スキー

 個人的には「希望の進路成就」や「結婚」などと言えれば良いですが、その可能性は低そう・・・(苦笑)
いずれにせよ、厳しい情勢の中でも、皆がその中を強く生き抜き、明るく過ごせる1年であって欲しいです。キラキラ