仕事中の雑談で着想を得たので久しぶりに妄想してみる。
小売があるのはなぜか。
細かい理由や経緯は色々とあるだろうけど,基本的には生産者から消費者にモノを届けるということだろう。
生産者が消費者に直接モノ(生産物)を届けるのは限界がある。
逆に利用者が生産者にモノを受け取りに行くのもまた然り。
しかし,これは人的リソースに関わる制約であるということだ。
自走車(定義については「自走車の世界を妄想してみる」を参照)が普及して自動宅配が可能になったら,この問題は解決する。
この自動配送車であれば,生産者から直接消費者へモノを届けることが可能になる。
生産者は各種生産物のポータル(家電,パソコン,携帯,・・・)に自分の生産物と値段や数量などの販売に関する情報を登録する。
消費者は生産者ポータルで直接モノの購入依頼を出す。
生産者は購入されたモノを生産して自動配送車に積み込む。
消費者は自動配送車で届けられた購入物を受け取る。
これだけだ。
しかも,自動配送以外は現状でもある程度はできている。
ただ,間に卸や小売が挟まっているだけ。
しかし,自動配送車(を運用する会社)に加え,生産者ポータルを運営する会社ができれば,もはや小売や卸は無用の長物になる。
効率化(生産者や消費者が同じモノをまとめるなど)のために卸の代わりとなるような「集積場」などを用意することも可能だが,自動配送車が安価になれば不要だろう。
例えば,数が出ないモノなら,同日に生産されたモノを積み込んで,最適ルートで配送する。
逆に大量生産されるモノなら,100個単位などで積んで,配送して回れば良い。
人と異なり,自動配送車なら,24時間365日動かしても,法に触れることも,人道に触れることもない。
クーリングオフなど実際のモノを見て返品するのも自走車なら簡単だろう。
配送のルートに返品者も入れて回収すれば良い。
生産者向けの積み込みの機構があれば,それが使えるだろう。
もちろん,観光地のお土産屋などは残る可能性はあるが,これも微妙なところだ。
あらゆるものが直接買って配送できるなら,お土産でモノを買うという行為自体が意味をなさなくなるかもしれない。
日持ちせず,冷凍なども出来ないモノはどのみち,今もお土産には出来ないし。
さらに,生産も自動化して受注システムと連動できれば,オンデマンドで生産してそのまま配送ということも。
例えば,マクドナルドのような商品の無人販売などを考えてみる。
マクドナルドから契約農家などに受注をする。
契約農家は指定の数量の野菜を自動配送車に積み込む。
自動配送車は各地の自動販売拠点や無人販売所の倉庫など材料をストックする場所に野菜を納入する。
納入に際しても,積み込みロボットのような無人のシステムの導入も考えられる。
そして,必要なら,前準備(適切にカットするなど)もしておく。
無人販売所で受注が来たら,最終加工をおこなって,自販機のように製品が出てくる。
さらには,この最終加工が自動配送車に積めるなら,家から受注があったら,最終加工前の材料を積んで出発して,ついたところで仕上げを行うなども考えられるだろう。
自走車が普及すると小売が消滅するという,カゼオケ的な話でした。
もっとも,完全消滅はともかく,実際にかなり縮退するのでは思っている。
さすらいびとが生きている間に訪れる未来ではないかもしれないけど。