既存の仕組みの自動化ってやっぱり大変 | さすらいびとの徒然漂流記

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ちょっと以下の記事を読んでの感想的なものを。

 

無人の運転席 通常の速度で走るレベル4自動運転バスに驚き 長野・塩尻の実証運行に試乗 - ITmedia エグゼクティブ

 

コロンブスの卵的な気づきだけど,この記事を読んでいて「確かに」と思ったのは,アイコンタクトなどでの譲り合いが自動運転車にはわからないというもの。

同じようなもので,一度だけパッシングするのも同じだろう。また,道路交通法的には問題かわからないけど,渋滞の最後尾の車や譲ってもらった際のお礼などでハザードをつけるとかいうのも同じだろう。

 

批判的な人は「だから自動化は駄目なんだ」とか言いそうだけど,これって既存のものを一気に自動化できない場合に発生する厄介な問題。

最終的な目標である全部自動運転車のみの交通の方が制御が簡単なのに,既存の手動運転車(自動運転車に対して通常の人が運転する車のこと,一般的な用語は不明)が存在するために,いきなり「応用」の両者混在のハイブリッド交通が前提となってしまうというもの。

例えば,すべて自動運転車なら,ネットワークでリアルタイムに近隣車と予定進路の情報をやり取りしていれば,そもそも対面してしまうこと自体がなくなる。しかし,手動運転車が存在すると,たとえ,同じ情報を共有したとしても,最終的にどう動くかは不明だし,そもそも予定進路も不明。

そのため,最終的に不要となるハイブリッドならではの機能が追加で必要になってしまうし,更に,アンチパターンとされている現行の仕組みをそのままシステム化するといったことも部分的に必要になってしまう。

しかも,大抵はすべてを自動化・システム化することよりも,より複雑で,より高コストになる。

 

これは企業におけるIT化・システム化・自動化といったことでもよく発生する問題。

主な対策としては,小さな区分単位で拡張していくインクリメンタルな方法やPoCでテスト環境を用意して検証してから本適用するなどがある。

ただ,これらも必ずしもうまくいくとは限らない。

そもそも分けられない場合や全体を考慮しきれていない(ケース漏れ,データの取得漏れなど)などで拡張や本適用の際にはなかった様々な問題が発生するという問題もある。

 

よく既得権益者が老害だ何だと問題となることがあるが,既存の仕組みそのものも新しくなるうえでは障害となるのは,組織が寿命を持つ一つの要因となっている気がする。