【体の新常識】もう筋肉や骨の話は古い! あなたの不調は“全身タイツ”が原因だった
何を言っているんだ、と思いましたか?
原因不明の痛み、マッサージしてもすぐ戻る肩こり、ストレッチしても一向に柔らかくならない体の硬さ…。
あなたはこれまで、その原因を「筋肉の凝り」や「骨の歪み」のせいだと思い込んできませんでしたか?
もし、「あなたの不調の9割は、筋肉でも骨でもない“ある組織”が原因だ」と言ったら、信じられますか?
その名は、「ファシア(Fascia)」。
この言葉を覚えておいてください。
なぜなら、これはあなたの体に対する常識を根底から覆し、長年の苦しみから解放するための、最重要キーワードになるからです。
ファシアとは何者か?ただの“包装紙”ではなかった衝撃
これまで医学の世界では、筋肉や骨、内臓が主役であり、それらを包んでいる半透明の薄い膜は、単なる「包装紙」や「隙間を埋める充填材」程度にしか考えられていませんでした。
鶏肉の皮を剥いだ時に見える、あの薄い膜。「筋膜」という言葉なら聞いたことがあるかもしれませんね。
実は、その筋膜も、この広大なファシア・ネットワークの一部に過ぎません。
ファシアとは、筋肉だけでなく、骨、内臓、神経、血管といった体内のあらゆる組織を包み込み、繋ぎ合わせ、支えている、立体的な蜘蛛の巣状のネットワークなのです。
もし、あなたの体から筋肉や骨、内臓をすべて取り除き、ファシアだけを残したとしたら…それでも、そこには人型の立体的な構造が残り続けると言われています。
そう、ファシアこそが、私たちの体の形を決定づけている「第二の骨格」と呼べる存在だったのです。
そして、このファシアは単に体を支えているだけではありません。
- 滑りを生む潤滑油: 筋肉や内臓がスムーズに動けるのは、ファシア同士が滑り合うおかげ。この滑りがなくなると、体はギシギシと錆びつきます。
- 情報の伝達網: ファシアには、痛みや位置を感知するセンサーが、筋肉の10倍以上も存在すると言われています。まさに、体の状態を脳に伝える“情報ハイウェイ”なのです。
驚愕の身体地図「アナトミートレイン」――なぜ腰痛なのに足裏を治療するのか?
このファシアの重要性をさらに決定づけるのが、「アナトミートレイン」という概念です。
これは、ファシアが特定のルートで強く連結し、まるで鉄道の路線図のように全身を縦横無尽に走り抜けていることを示した、人体の“路線図”です。
この路線図を見れば、「なぜ痛む場所と原因の場所が違うのか」が一目瞭然となります。
例えば、体の背面を走る最長の路線「スーパーフィシャル・バックライン」を見てみましょう。
医学書院刊 アナトミー・トレイン-徒手療法のための筋膜経線-第4版 訳:板場英行 石井慎一郎 P-32より引用
【バックラインの主な駅】
足の裏(始発駅)
↓
ふくらはぎ
↓
太ももの裏
↓
腰・背中
↓
おでこ(終着駅)
信じられますか?
あなたが「痛い!」と感じている腰は、この長い路線の一区間に過ぎません。
そして、この路線の始発駅は、なんと「足の裏」なのです。
もし、始発駅である足裏のファシアが、長年の立ち仕事や合わない靴でガチガチに癒着していたら?
その異常な張力は、路線を伝ってぐいぐいと腰のファシアを引っ張り、慢性的な腰痛を引き起こします。
だから、腰だけをいくら揉んでも無意味なのです。
始発駅のトラブルを解決しない限り、路線全体のダイヤの乱れは解消されません。
あなたの体を蝕む“癒着”という名の呪縛
では、なぜファシアは問題を起すのでしょうか。その最大の原因が「癒着」です。
健康なファシアは、水分をたっぷり含み、隣り合う組織とスムーズに滑り合っています。
しかし、長時間の同じ姿勢、怪我、ストレス、水分不足などが原因で、ファシアは水分を失い、ネバネバと粘着性を帯びてきます。
例えるなら、濡れたTシャツが肌にピッタリと張り付いて動きを邪魔するような状態。
あるいは、蜂蜜が冷えて固まり、滑りを失ったような状態です。
この癒着が起こると、
- ① 動きが制限され、痛みが出る: 本来滑るはずの組織が引きつれ、動かすたびに痛みの信号が発せられます。
- ② 全身の歪みを引き起こす: 一箇所の癒着が、アナトミートレインを通じて全身の「ウェットスーツ」を歪ませ、姿勢の崩れを招きます。
- ③ 原因不明の不調を生む: 癒着した部分のセンサーが誤作動を起こし、常に脳に痛みの信号を送り続けることで、慢性的な痛みや違和感となります。
そう、あなたが感じている原因不明の不調の正体は、この「ファシアの癒着」だった可能性が非常に高いのです。
結論:なぜ、これからはファシアの時代なのか
ここまで読んでいただければ、もうお分かりでしょう。
筋肉を揉んでも、骨をボキボキ鳴らしても、それは一時的な対症療法に過ぎません。
固まった筋肉の下で、癒着したファシアが悲鳴を上げている限り、あなたの体は解放されないのです。
本当に必要なのは、この癒着したファシアを、優しく、的確に、元の滑る状態に戻してあげるアプローチです。
それが「筋膜リリース」や「ファシア・マニピュレーション」と呼ばれる手技の本質です。
あなたの体は、もっと軽く、もっと自由に動けるはずです。
その可能性を妨げている「ファシアの呪縛」に、今こそ目を向ける時が来たのです。
当店ではアナトミー・トレインの概念をもとに、筋膜を含むファシアの機能改善に重きを置いた、体の深部まで浸透する施術を行っております。
ボキボキ整体やマッサージ、ストレッチなどでお体のツラい状況が寛解しないとお困りの方はぜひ。