Courtesy of Fr Lawrence Lew, O.P.
今では、どういうきっかけで見つけたのかよく思い出せませんが、「黙示録の『六百六十六』はマルチン・ルターである」と記述しているページに、2021年の半ばに出くわしました。
666 - The number of the Beast
http://www.cs.cas.cz/portal/AlgoMath/NumberTheory/RecreationalNumberTheory/666.htm
当時、マルチン・ルターが晩年に記した論文「ユダヤ人と彼らの嘘について」の存在を知り、ずいぶんとひどいことを書く人だと認識し始めていました。
「ユダヤ人と彼らの嘘について」では、次のようなことが書かれており、キリスト教徒はユダヤ人を迫害せよ、ユダヤ人を殲滅せよと、扇動しています。
1. シナゴーグやイェシーバーを、跡形残らず徹底的に焼き払うべし
2. 更にユダヤ人の所有する家をも打ち壊し、所有者を田舎に住まわせるべし
3. 宗教書を取り上げるべし
4. ラビの伝道を禁じ、従わないようであれば処刑すべし
5. ユダヤ人を撲滅するための方途を穏便に実行すべし
6. 高利貸しを禁じ、金銀を悉く没収し、保管すべし
7. ユダヤ人を農奴として働かせるべし
(Wikipedia「ユダヤ人と彼らの嘘について」)
○
ユダヤ人/イスラエル人は、そもそも、アブラハムの祝福を血筋において受け継ぐ人々であり、アブラハムに現れた神、モーセを率いてユダヤ人/イスラエル人をエジプトの奴隷状態から引き出した神は、別名イスラエルの神であり(旧約聖書の206回現れる呼び名です)、ダビデが次のように歌うように、イスラエルの神こそがほむべき方なのです。
あなたの御名がとこしえまでも真実なものとされ、あがめられ、『イスラエルの神、万軍の主(ヘブライ語原典YHWH)は、イスラエルの神』と言われますように。あなたのしもべダビデの家が御前に堅く立ちますように。
第一歴代誌17:24
神よ。あなたはご自身の聖なる所におられ、恐れられる方です。イスラエルの神こそ力と勢いとを御民にお与えになる方です。ほむべきかな。神。
詩篇68:35
彼の名はとこしえに続き、その名は日の照るかぎり、いや増し、人々は彼によって祝福され、すべての国々は彼をほめたたえますように。
ほむべきかな。神、主(ヘブライ語原典YHWH)、イスラエルの神。ただ、主(ヘブライ語原典YHWH)ひとり、奇しいわざを行なう。
詩篇72:17-18
私たちの神、主(ヘブライ語原典YHWH)よ。私たちをお救いください。国々から私たちを集めてください。あなたの聖なる御名に感謝し、あなたの誉れを勝ち誇るために。
ほむべきかな。イスラエルの神、主(ヘブライ語原典YHWH)。とこしえから、とこしえまで。すべての民が、「アーメン」と言え。ハレルヤ。
詩篇106:47-48
この神を、御子であるイエスは「唯一のまことの神」と呼んでいるのです。
その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。
ヨハネ17:3
また、この神を、異邦人に対する福音を任されたパウロは「唯一の神」と呼んでいるのです。
知恵に富む唯一の神に、イエス・キリストによって、御栄えがとこしえまでありますように。アーメン。
ローマ16:27
そういうわけで、偶像にささげた肉を食べることについてですが、私たちは、世の偶像の神は実際にはないものであること、また、唯一の神以外には神は存在しないことを知っています。
第一コリント8:4
私たちには、父なる唯一の神がおられるだけで、すべてのものはこの神から出ており、私たちもこの神のために存在しているのです。また、唯一の主なるイエス・キリストがおられるだけで、すべてのものはこの主によって存在し、私たちもこの主によって存在するのです。
第一コリント8:6
どうか、世々の王、すなわち、滅びることなく、目に見えない唯一の神に、誉れと栄えとが世々限りなくありますように。アーメン。
第一テモテ1:17
○
マルチン・ルターについては、この「唯一のまことの神」であられる「イスラエルの神」が、アブラハムに与えた永遠に渡る祝福によって祝福して下さったユダヤ人/イスラエル人を、また、エジプトの奴隷状態から人知をはるかに超えた御業によって、過越によって、救い出して下さった民族を、以下のように迫害せよ、殲滅せよ、奴隷にせよ、と扇動しているとは、何事か?です。あなたは何者か?です。
1. シナゴーグやイェシーバーを、跡形残らず徹底的に焼き払うべし
2. 更にユダヤ人の所有する家をも打ち壊し、所有者を田舎に住まわせるべし
3. 宗教書を取り上げるべし
4. ラビの伝道を禁じ、従わないようであれば処刑すべし
5. ユダヤ人を撲滅するための方途を穏便に実行すべし
6. 高利貸しを禁じ、金銀を悉く没収し、保管すべし
7. ユダヤ人を農奴として働かせるべし
天地万物を創造なさった神が、ご自身の民として愛されているユダヤ人/イスラエル人を迫害せよ、奴隷(農奴)にせよと、真面目に書いた論文によって、全てのキリスト教徒に扇動しているとは、どういう頭の構造か?と思ってしまいます。
加えて言うなら、異邦人への福音を任されたパウロは、ローマ11章において、「異邦人の完成」を預言していますが、それは天の父が、イエス・キリストを通じてユダヤ人を救うためだと書いています。ローマ11章をよく読んで下さい。野生種である私たち異邦人は、栽培種であるユダヤ人/イスラエル人に対して誇ってはならないのです。ユダヤ人/イスラエル人の『根』が私たち異邦人を支えているのです。
聖書主義に立つマルチン・ルターが、このことを知らなかったはずがありません。旧約聖書の読み込みが足りなかったなどと言うことは、ないはずです。ローマ11章を読んでいなかったなどと言うことは、あり得ません。異邦人に対する福音を任されたパウロ書簡の隅々に至るまで読んでいて、理解していながら、イスラエルの神が愛しておられた/愛しておられるユダヤ人/イスラエル人を、迫害せよ、殲滅せよと扇動しているのです。
これが、悪魔に頭脳を乗っ取られた人の言動でないとすれば、何が悪魔でしょうか?