聞いて従うことを聖霊が助ける/主イエスと食事をする教会 2021年11月14日礼拝 | イェホシュアのイスラエルの信仰と証し

イェホシュアのイスラエルの信仰と証し

1世紀のイエスの弟子たちの初代教会が回復したイスラエル教の教会(エクレシア)であるイェホシュアのイスラエル

 

ハイデルベルク信仰問答第六主日の問19が参照している証拠聖句の中から、創世記22:18の「聞き従う」、「聞いて従う」ことを説明します。

旧約聖書では、よく読むと「神の声に聞き従う」という風に書かれています(あるいはその逆のことが書かれています)。

旧約聖書の例
創世記3:17:あなたが、妻の声に聞き従い
出エジプト15:26:もし、あなたがあなたの神、主の声に確かに聞き従い、
出エジプト19:5:もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、
民数記14:22:このように十度もわたしを試みて、わたしの声に聞き従わなかった者たちは、
申命記28:1:もし、あなたが、あなたの神、主の御声によく聞き従い、
申命記28:15:もし、あなたが、あなたの神、主の御声に聞き従わず、

新約聖書では、「神のことばに聞き従う」書いているところもあります。旧約聖書が「神の『声』に聞き従う」と書いているのに対して、こちらでは「神の『ことば』に聞き従う」と書いているのです。

新約聖書の例
ヨハネ3:36:御子を信じる者は永遠のいのちを持つが、御子に聞き従わない者は、いのちを見ることがなく、神の怒りがその上にとどまる。
ヨハネ8:47:神から出た者は、神のことばに聞き従います。ですから、あなたがたが聞き従わないのは、あなたがたが神から出た者でないからです。」

いずれにしても、「聞いて」 → 「従う」という行動の順序があります。アブラハムも、ヤコブも、モーセも、ダビデも、エリヤも、エレミヤも。新約の時代のパウロも。みんな、神の声ないし神のことばを、聞いて、従いました。ここに主イエス・キリストにあって神の子どもとされる人々の本質があります。

そうして、聞いて、従うことには、聖霊の助けが必要であるということを説明します。聖霊が介在して下さるからこそ、神のことばが神のことばとして聞こえてきて、それに従うことができます。

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家の教会など教団・会派の指導がない教会における礼拝メッセージやバイブルスタディでは、取り上げる聖書箇所の選び方が、行き当たりばったりになりがちです。聖書には実に多くの事柄が記されており、道しるべなしに読み進めていると、極めて重要な概念を理解しないまま、キリスト信徒として年月だけが積み重ねられることになりかねません。

そういう中で「規範となるテキスト」として、ルターの宗教改革から約50年後に編纂された「ハイデルベルク信仰問答」を用いることには、大きな意味があると考えています。プロテスタンティズムが確立してまもない頃の、新鮮な聖書理解が反映されたテキストであり、大きな驚きを覚えながら読み進めることができます。

その後の450年間に無数の会派に分裂していくプロテスタント教会の大元にある、太い源流のようなプロテスタント信仰が、一種のタイムカプセルのように保存されたテキストであることにも大きな意味があります。現代の多くのプロテスタント教会では教えられなくなった、極めて重要なキリスト者のあり方が取り上げられています。

ハイデルベルク信仰問答は、宗教改革後にドイツの各教会が聖書を手がかりとして信仰の規範を確立しようとしていた時代、「決定版となるテキスト」を確立すべく、当時のプファルツ選帝侯フリードリヒ3世が有力な聖書学者や聖職者を集めて編纂しました。キリスト教信徒として知っておかなければならない、最も重要な概念をカバーできるように、129の質問と回答によって構成されています。また、第1主日から第52主日までの区切りでまとめられており、1年間分の構成となっています。