日曜投稿:フラットアースからイエス・キリストに来た方々に送る「福音」(上) | イェホシュアのイスラエルの信仰と証し

イェホシュアのイスラエルの信仰と証し

1世紀のイエスの弟子たちの初代教会が回復したイスラエル教の教会(エクレシア)であるイェホシュアのイスラエル

Mike Mozart

 

フラットアースをきっかけとして、聖書に入ってくる人たちが多数出始めています。私は、フラットアースを信じていません。しかし、「フラットアースをきっかけとして、聖書に触れる人たち」、それから「フラットアースをきっかけとして、聖書に触れ、イエス・キリストを信じるようになった人たち」がかなり増えていますので、そこは尊重して、見ております。

Twitterでみなさんの発言を見ていて、感じました。「ひょっとしたら、この方々は『イエス・キリストの福音』を知らないのではないか?」と。教会に通っていない方がほとんどですので。

ということで、本投稿は、フラットアースを経由してイエス・キリストを信じるようになった方々へ、聖書から読み取る福音とは何か?ということについて、簡潔にまとめたいと思います。

なお、福音の世界は広くて深く、一生かけて聖書から学び、受け取り、実践していくものです。
例えば、長らく京都に住んで、数十年に渡ってギリシャ語の新約聖書を読み、講解を書き続けてきた市川喜一先生は、「福音」をテーマに書籍で言うと、20巻分ぐらいのギリシャ語聖書講解を書いていらっしゃいます(講解とは聖書のみことばの1節1節を細かく吟味し解説すること。書籍の場合と説教の場合とがある)。

論じ始めると、それだけ膨大なテキストが必要になるのが「イエス・キリストの福音」です。

プロテスタントの各会派においても、「これが福音である」として教えている内容は、本当にバリエーションに富みます。神学が10あるとすれば、10通りの福音の解釈、説明の仕方があると考えて良いでしょう。例えば、YouTubeで多くの方が視聴しているある福音派の先生は、福音を3つのポイントに絞り込んで教えています。上の市川喜一先生は20巻本ぐらいの分量で論じています。それほどまでに理解の仕方は会派によって、神学によって異なります。

なので、以下はほんのさわりとしてお考え下さい。あとはご自分で聖書を読み解き、毎日祈り、聖霊に導かれて、福音の理解を深めて下さい。一生かけて読み解き、経験するに値するのがイエス・キリストの福音です。



ふだんから、主イエスの名を用いて、主イエスからいただいた権威(ルカ10:19)によって悪霊を追い出したり、エペソ6章の霊的な戦いを行なっている者として捉えている福音は、以下の7つの要素から成ります。

1. 神の国の回復
2. アブラハムの契約が異邦人に及ぶ
3. 罪の完全な赦し、病の完全な癒し、悪霊からの完全な解放
4. 永遠の命が与えられる
5. 神の子どもとなる
6. 聖霊が下ること
7. イエスの名が使える、天の父に求めれば何でも与えられる

「福音」とは、ギリシャ語聖書原典では「euaggelion」(ユーアンゲリーオン)
英語では「Good news」。平たい日本語では「良い知らせ」。この「良い知らせ」を大正ごろの日本語訳聖書で「福音」という言葉を作って訳し、それが現在まで使われているので「福音」です。

1つひとつ、根拠聖句を挙げて説明していきます。

◎1. 神の国の回復

創世記では、蛇であるサタンが、アダムとエバを言葉によって騙し、アダムとエバが創造主である「主」(旧約の主)からいただいていた祝福を失い、エデンの園から追い出されてしまいました。

神の国から、人間が追い出されてしまったのです。
また、土地は、呪われてしまったと書かれています。

また、人に仰せられた。「あなたが、妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。
(創世記3:17)

主イエス・キリストは、このようにして人間からは失われてしまった神の国を、回復して歩かれていました。神の国の福音を宣べ伝えて、ユダヤ各地を歩かれていました。

「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」
(マルコ1:15)

しかしイエスは、彼らにこう言われた。「ほかの町々にも、どうしても神の国の福音を宣べ伝えなければなりません。わたしは、そのために遣わされたのですから。」
(ルカ4:43)

その後、イエスは、神の国を説き、その福音を宣べ伝えながら、町や村を次から次に旅をしておられた。十二弟子もお供をした。
(ルカ8:1)

新約聖書では「神の国」の他に「御国」という言葉も使われています。主イエスは、「御国の福音」を宣べ伝えて歩かれています。「神の国の福音」と内容は同じです。

イエスはガリラヤ全土を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいを直された。
(マタイ4:23)

それから、イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやされた。
(マタイ9:35)

この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。
(マタイ24:14)

主イエスが伝えていた神の国の福音とは、サタンによって失われてしまった神の国が、主イエス・キリストご自身によって回復されたよ、という良い知らせです。


サタンがこの世に生きている人間に負わせている縛りや呪いは、説明を始めるとものすごく長くなるので割愛します。主イエスがもたらした神の国の福音とは、そうしたサタンが課した縛りや呪いがまったくない状態、言い換えれば、アダムとエバが初めに置かれた祝福に満ちたエデンの園の状態状態に「戻ったよ」という知らせです。もうサタンから来るどのような苦しみからも自由になりましたよ、という知らせです。

◎2. アブラハムの契約が異邦人に及ぶ

新約聖書は、旧約聖書で約束されたことの成就について記しています。また、新しい契約について記しています。さらには、新しい戒め「互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)について記しています。

新約聖書は、旧約聖書と接続させて読まなければなりません。すべての新約に書かれている事柄は、旧約の事柄を踏まえています。

現代のキリスト教会(プロテスタント)では、神である主がアブラハムと結ばれた契約が、主イエス・キリストによって、異邦人の我々にも及んでいるということについて、比較的さらっとしか教えません。しかし、このことは、聖書全巻を貫く大きな神の恵み、祝福として、最重要視されるべきです。
主イエス・キリストを信じる人たちは、アブラハムの子孫となるのです。血はつながっていないので「霊的な子孫」です。

そのようなわけで、世界の相続人となることは、信仰によるのです。それは、恵みによるためであり、こうして約束がすべての子孫に、すなわち、律法を持っている人々にだけでなく、アブラハムの信仰にならう人々にも保証されるためなのです。「わたしは、あなたをあらゆる国の人々の父とした」と書いてあるとおりに、アブラハムは私たちすべての者の父なのです。
(ローマ4:16)

アブラハムは神を信じ、それが彼の義とみなされました。それと同じことです。
ですから、信仰による人々こそアブラハムの子孫だと知りなさい。
聖書は、神が異邦人をその信仰によって義と認めてくださることを、前から知っていたので、アブラハムに対し、「あなたによってすべての国民が祝福される」と前もって福音を告げたのです。

(ガラテヤ3:6-8)

主イエス・キリストを信じる信仰によって、私たちは、霊的なアブラハムの子孫となりました。それにより、神である主がアブラハムと結んだ契約が私たちにも適用され、アブラハムが受けたすべての祝福が、私たち異邦人にも臨むのです。これはすばらしいことです!(異邦人とは、聖書で言うイスラエル人ではないすべての他国人)

◎3. 罪の完全な赦し、病の完全な癒し、悪霊からの完全な解放

どのプロテスタント教会でも教えているように、福音には、罪の赦しが含まれています。主イエス・キリストを信じることによって、すべての罪が赦されること。これが良い知らせです。

罪とは、ギリシャ語原語で「ハマルティア」。「神から見て的外れである」という意味です。

罪を論じ始めるとまた、長いテキストが必要になってしまいますから、ここでは、聖書で言う罪とは神から見て的外れであること、ぐらいに留めておきます。

主イエス・キリストを信じることによっていただける罪の赦しには、必ず、主イエス・キリストの血が関わっています。

これは、わたしの契約の血です。罪を赦すために多くの人のために流されるものです。
(マタイ26:28)

この方にあって私たちは、その血による贖い、罪の赦しを受けています。これは神の豊かな恵みによることです。
(エペソ1:7)

それで、律法によれば、すべてのものは血によってきよめられる、と言ってよいでしょう。また、血を注ぎ出すことがなければ、罪の赦しはないのです。
(ヘブル9:22)

この主イエスの血にどのような意味があるかは、旧約聖書の犠牲や血に関するすべての聖句を読み解き、ヘブル人への手紙など、主イエスの血に関するすべての言及を理解する必要があります。
デリック・プリンスという先生がわかりやすい動画で説明していますので、一生に一度は、この動画を見て、主イエスの血について明確な理解を得ておくと良いです。これほどの説明は、おそらくどの教会でも行われていないという、世界最高峰の主イエスの血についての説明動画です。

「イエスの血潮の働きについて」デリック・プリンス


長くなりますので、2本の投稿に分けます。
福音に含まれる病の癒しと悪霊からの解放については、次の投稿で。