「正義中毒」作詞/オサムサバト | オサムサバトの作詞ノート

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路上ライブのレポート、詩や歌詞を載せてます。
2015年5月16日から、柏で路上ライブ始めました!
若い頃に出来なかった、やり残した事をやり始めました。
このブログでは、主に
路上ライブで知り合った人の話しなどや、詩作に関する事などを載せてます。

「正義中毒」作詞/オサムサバト

たぶんアイツは正義中毒
弱者にぶつける言葉の暴力
考え方はまさに究極
鬼も逃げ出す重い迫力

まさにアイツは正義中毒
近付いただけで皆 立ちのく
餌食になった人は気の毒
返す言葉も無く たじろぐ

優先席に座る若者
とうていアイツは許さない
転売するため買い占める奴
当然アイツは許さない

不倫してるイケメン見つけて
アイツは噂を拡散し
路上ライブをやっている輩を
アイツは絶体許さない

正・真・正・銘
正義中毒
アイツはいつでも正しくて
そして皆の嫌われ者


きっとアイツは正義中毒
古いセンスの常識にこだわる
他人の意見は聞かぬ感覚
ステレオタイプの正義中毒

まさにアイツは正義中毒
反論されると目線が泳ぐ
言っている中身が支離滅裂
意外ともろい正義中毒

陰で悪口言っている奴を
当然アイツは許さない
趣味で女装をしている人を
やっぱりアイツは許さない

内緒で動物飼っている人を
アイツは管理人に通報し
路上ライブをやっている輩を
アイツは絶体許さない

正・真・正・銘
正義中毒
アイツはいつでも正しくて
そして皆の嫌われ者


アイツいつでも正しいよ
正しい事しか言ってない
正義、正義を貫き通し
反社も消滅させてくれ

アイツが正義を口にする時
ドーパミンが出るという
正義の快感味わいながら
ニューヒーローにもなれるだろう

正・真・正・銘
正義中毒
アイツはいつでも正しくて
そして皆の嫌われ者


***************


【蛇足的な解説】

いつもよく聴いているラジオ番組で、たまに脳科学者の先生が出演するのだが、その先生の話しの中に

「正義中毒」

という言葉が出て来た。

他人を注意する事で、快感を得ている人の事だ。

例えば、優先席に座っている若者を注意したりする。
本人は、他の大勢の意見を代表して、正しい事を言っているつもりになる。
「良い事」をしたつもりなのだ。

その時、ギャンブル依存性の人が、賭け事に勝った時などと同様に、脳の中では、ドーパミンという快感物質が分泌され、幸せを感じるらしい。
その結果、小さな悪い事をしている人を探しては、注意したり通報したりする。
路上ライブを演っている人などは、まさに格好の餌食だ。
正論を振りかざすので、反論しにくい状況になる。

こういう正義中毒の人は、注意したり通報する事が、趣味になってしまうのだ。

何度か書いてるが、
路上ライブを演る側からすると、ホントに迷惑をかけているなら、中止もするし、演る場所や時間を考え、やり方を考える。
しかし、正義中毒で注意する事が趣味になっている人から注意されても、逆に迷惑な話しだ。

音楽の良し悪しを聴いて欲しいと、願うばかりだ。

正義中毒になりやすい人は、友達が少なく、承認欲求を満たされていない人が多いらしい。
本人が、他に夢中になれる趣味とか、承認欲求を満たすような事を見つけない限り、症状は改善されないそうだ。
そんな正義中毒の人と知り合いになって、腹を割って話しが出来るならば、少しは良くなる可能性はある。しかし、
いきなり通報してしまうような正義中毒の人には、もう対処のしようがない。

この歌詞は、最大限の皮肉という事だ。

・・

今回、ラップで歌うようなイメージが浮かんだ。そこで、なるべく語感が揃うように、言葉を選んでみた。


・・

※この歌詞と【蛇足的な解説】は、3月頃に書いておいて、ブログにアップするタイミングを逃し、現在に至った。

このコロナ渦中に、

自粛パトロール、
自粛自警団、
自粛警察等々
呼び方はいろいろだが、営業中の店舗などに、注意、抗議、貼り紙などして廻っている人達がいるそうだ。

良い悪いの判断は難しいが、自粛パトロールを、している人達は、まさに「正義中毒」な人達だと思う。

営業しているお店側だって、
コロナに感染して死ぬか、
無収入で死ぬか、
そんな瀬戸際なのだと思う。

営業中の店舗に抗議や貼り紙をする、その力を、無策でスピード感がない、政府に向けて欲しい。

「自粛と補償はセットで!」

いや、この表現ではヘンだ。

この表現だと、また正義中毒の人が増殖しかねない。

新型コロナウィルス感染拡大を防ぐためにも、きちんと補償した上で休業要請するべきだ。

「休業要請と補償はセットで!」