「Sweet Blue Age」 角川書店編 2007-032
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出版元 |
角川書店 |
初版刊行年月 |
2006/02 |
著者/編者 |
作家アンソロジー |
総評 |
19点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:3点 ぐいぐい:3点 キャラ立ち:3点 意外性:3点 装丁:4点 |
あらすじ |
「すべての偉大なる作品は、青春文学なのだ」野性時代のこの断言に感応し、七人の作家が全身でとらえた、甘く、憂鬱な、「あのころ」の物語。<<Amazonより抜粋>> |
7人の作家さんの短編が所収されています。
「あの八月の、」 角田光代
「クジラの彼」 有川浩
「涙の匂い」 日向蓬
「ニート・ニート・ニート」 三羽省吾
「ホテルジューシー」 坂木司
「辻斬りのように」 桜庭一樹
「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦
個人的に、小説雑誌やアンソロジーを借りる目的は2つあって、それは
1.お気に入りの作家さんの掘り出し物の短編が読める
2.今まで読んでいない作家さんの作品がよくて、作家さんごと「掘り出し物」になる
ということなのです。
ちなみに過去2.の理由でヒットして、以降、お気に入りした作家さんの中には中村航氏(ILOVEYOU
)や山本幸久氏(エソラ
)などがいらっしゃいます。
で、本書も、もらさずこの2つの目的を達成しようと予約をしてまで、借りてみたわけでして、例えば、具体的に1.に該当する作家さんは、有川氏・三羽氏、桜庭氏、森見氏が該当します。
とはいえ、当ブログでヘビーローテーション化している伊坂幸太郎氏や荻原浩氏や、ちょっと変わったところでは戸梶圭太氏ほどのお気に入りではない(加えて言ってしまえば、森見氏なんかは、単行本として既読)ため、結果的に相当2.の目的を期待していたりするわけです。
じゃぁ、念願の2.は達成したのかということが、流れ上、ここでの報告事項となるわけで、なかなか難しかったというのが率直なところですかね。
「涙の匂い」のラストに見られた「あらあら」的家族模様とか、「ホテルジューシー」の「映像化されたら若かりし小林聡美が主演的展開」(意味不明ですみません)とか、要所要所には面白かったのですけど、「これっ!!」てのがなかったのです。
試しに「夜は短し歩けよ乙女」を再読したのですが、実はこれが一番面白かったというオチでした。(あらら)
(ちなみに先にこちらを読んでから、単行本を手に取っていたら、単行本の評価は、もうちょっとよかったのにな~などと思ったりもしました)
ま、有川氏の「クジラの彼」が大スペクタクル“ウルトラQ”的小説「海の底」のサイドストーリだったというも、お得感がありましたが・・・
ということで、目的2.は早々簡単に得られるものではないのだな~と改めて思い知らされた1冊でした。