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Discostar★Love 4
#123/Side-S
「ボッチじゃかわいそうだからね!仕方ないから誘ってやるよ!」
そう言って雅紀が一頻(ひとしき)りマロと戯(じゃ)れた後
俺より低いところから俺を見上げて
「ありがと」
って小さく言った。
雅紀の───、
こういうところ。
小さなことにも、きちんとお礼を言える、そういうところ。
好きなんだよなぁぁ!
愛しい頭をポンポンってすると、
頬を染めて先を歩くマロに飛びついて行った。
俺は、口元がニヤけるのを誤魔化すために唇を丸め込んで2人に続いた。
食事とは言ったものの、ちょうど入れたのがカフェ風居酒屋で、
雅紀が運転手の俺を気遣って『ごめんね』と振り返る。
そう謝るのも、同行のマロにも店員にも聞かれることのないようなタイミングとスマートさで、
『全然いいよ』と答えたあと、
目の前の雅紀のまぁるい後頭部を見ながらまたニヤけた。
ヤベェな・・・
出来たコイビトに、妙に嬉しくなってさっきから顔を作るのが大変だ。
「おい!」
雅紀の張った声にハッとして顔を上げると、テーブル席の奥にマロが座ったところだった。
あ、上席・・・?
別にいいよ、そう言おうとした時に思いがけないことをマロが言った。
「サクライさん、そっち側ならお店の人にも気付かれないっすよね?」
───確かに。
出入口を背にすれば顔が割れる可能性もグッと減る。
「お、サンキュ、気が効くじゃん、」
ニコニコとしているマロを見て、
なるほど雅紀が家族ぐるみで仲良くしているだけあるなと妙に納得した俺は
さぁ何食べようとマロとメニューに夢中になって、
音も立てず横に座った雅紀から笑顔が消えていた事には気付いていなかった。