「ど?落ち着いた?」
フッて笑った翔ちゃんがいつもよりカッコよく見えて、思わず目をそらす。
オープニングで、ガッチガチだった僕に
背後(うしろ)から『頑張れ、ガンバレ、』って声を掛けてくれてめちゃめちゃ心強かったのを思い出して
そうだ、お礼言ってなかったって思って翔ちゃんを見た。
『ん?』って、僕の横で同じように膝を抱えた翔ちゃんが首を傾げて微笑む。
なんだか照れくさいけど、お礼はちゃんとしたい。
「あの、しょぉちゃん、ありがとね。」
「ん?」
「ガンバレ、って、すげー嬉しかったからさ。あのしょぉちゃんの声に、ドンって背中押された気がする。」
目を見て言ったけど、
間近で見る翔ちゃんの瞳(め)の大きさにやっぱ照れくさくなって足の指先を見た。
「相葉くんらしい、いい司会だったって思ってるよ。
みんな、裏でモニター見て応援してた。事務所の人間だけじゃなくて、相葉くんの事、本当にみんなで応援してたよ。
あんなに裏でまでみんながモニター見てる紅白って今までなかったんじゃないかな、」
「え・・・、」
翔ちゃんの言葉に、顔を上げてもう一度翔ちゃんを見た。
「みんな、相葉くんの事、大好きなんだよ。」
翔ちゃんが優しい顔で笑って、その瞳(め)が、一瞬憂いをまとったように艶めいた。
とくん、
なに・・・
なに、この間(ま)・・・
翔ちゃんが、僕を、見つめる。
僕も、翔ちゃんから目が離せない。
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